これまでのあらすじ

 信一郎と理香は小学生と0歳児の子どもを持つ夫婦。第二子の長女誕生と、長男の中学進学問題で、教育費の負担が気になり始めた。毎週金曜夜にマネー会議をすることになった二人。教育費はもちろん、自分たちの老後のことが気になり始めた二人は…。

iDeCoとNISA、どっちを優先すればいいんだろう?

「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)とNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)、どっちを優先すればいいんだろう?」

 金曜夜のMTGでは、信一郎にメリットを強調されてその気になった理香は、さっそくネット証券からiDeCoの資料を取り寄せた。しかし、新たな悩みが増えてしまい、理香はうーんと腕組みをしてうなっている。

「上限額が決まってるんだから、私はiDeCoを満額やって、余力でNISAをやろうかな…?」

「僕もそれを決められなくて迷ってるんだ。僕の場合は企業型DCだけど、そっちに全力だと、万一の場合に引き出せるお金に制限ができちゃうだろ? 両方がんばりすぎて、生活が苦しくなるのも変だし…」

「そうなのよね…」

 それに「近いうちに住宅購入を検討する」という発想が芽生えている二人の場合、頭金分くらいの現金も手元に残しておく必要がある。

「あー、もうわかんないっ」

 理香は机に突っ伏してしまった。

「僕たちだけで決めるのはやっぱり危ないよ。知らなかったことが後から出てきて、二度手間になったり、決断を後悔しそうな気がする…。一回、うちの会社が契約しているFPの個人相談に行ってみよう」

 老後の生活をリアルにイメージし、いつまでにいくらお金を用意すればいいのか、もう一度、リアルに計算してみよう。そう信一郎は提案した。

「この間の、資産総額2億円ていうのは、やっぱり現実的じゃないよ。あのFPさんは、いろんな可能性を見せてくれたけど、うちの会社の退職金とか昇給率をちゃんと把握してるFPに相談してみるのが一番リアルに金額が出るよ」

「そうしましょう。できたらFPさんに質問に行く前に、どんな資料をそろえていけばいいのか、聞いておいてほしいわ」

 私の情報も必要でしょう? できるだけ準備して臨みましょう…、と理香は心細げに続けた。

「ちょっと不安なのが、大した資産もない僕らが、庶民丸出しな相談をしても、ちゃんと対応してくれるかどうかってことなんだよな」

 富裕層じゃあるまいし、おこがましいと思われないかな…と信一郎が不安がる。

「前回のFPさんはとっても親切だったじゃない。富裕層以外お断り、っていう雰囲気を感じたら、別のFPさんに行けばいいんじゃない?」

「わかった。一応、一般市民なので大きな資産がないことを事前に伝えておくよ」

 信一郎の言葉に、理香はウンとうなずいた。

65歳以上の夫婦、一カ月の生活費平均は約27万円!<5-6>夫婦、老後を考える