日本経済は2四半期連続マイナス成長も、日経平均は最高値更新迫る、いびつな状態に

 米国1月CPI(消費者物価指数)、PPI(卸売物価指数)がともに市場予想を上回りました。米国の中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)が利下げに転じる時期をめぐる市場予想は後ろ倒しとなり、ドルは堅調地合いを続けています。

 また、日本では内閣府が15日に発表した2023年10-12月期実質GDP(国内総生産)速報値が年率換算で0.4%減となり、2四半期連続のマイナス成長となりました。事前の市場予想では、プラス成長だったため、日本銀行の大規模金融緩和政策を修正する時期が遅れるのではないか、金融緩和環境が長引くのではないかとの思惑も働き、円売りが続いています。

 日本の実質GDPがマイナス成長を続けながらも企業業績は好調であるため、日経平均株価(225種)はバブル経済期の史上最高値(3万8,915.87円、当時のドル相場は1ドル=143円台)を超えようとしています。

 このようないびつな日本経済にこのまま変化がなければ、円安地合いは続くかもしれません。好調な企業業績が、国内の設備投資増加や賃金上昇によって日本経済全体に活力を与えていかないといびつな日本経済は正常に戻らず、金融政策の正常化にも時間がかかるかもしれません。

 ちなみに日本経済新聞社の調査によると、翌四半期の2024年1-3月期実質GDPの民間エコノミスト10人による予測平均も0.3%減のマイナス成長になっています。プラス成長に転ずるのは4-6月期以降との予測ですが、3四半期連続のマイナス成長となれば、金融政策正常化はかなり遅れるかもしれません。

 今後のGDPの公表日と日銀金融政策決定会合の開催日を見てみますと、以下の通りとなります。3月11日公表の2023年10-12月期実質GDP2次速報が上方修正となればよいのですが(マイナス幅が縮まるか、プラス転)、下方修正となれば(マイナス幅の拡大)、3月や4月の日銀会合に影響が出てくるかもしれません。物価目標実現が見通せても、緩和的な金融環境は長引くかもしれません。

3月11日 2023年10-12月期GDP2次速報  (日銀金融会合) 3月18~19日 4月25~26日
5月16日 2024年1-3月期GDP1次速報    
6月10日 2024年1-3月期GDP2次速報  (日銀金融会合) 6月13~14日

 エコノミストがマイナス成長を予測している2024年1-3月期実質GDPは5月16日の公表予定です。予測のようにマイナス成長になっても、日銀が考慮するのは6月の日銀会合となります。2次速報(6月10日)の結果も出た後の会合となる点には注意が必要です。

 ドル相場は2022年10月、2023年11月に付けた1ドル=151円90銭台のダブルトップとなっています。日経平均の上昇とともに円安となっている側面もあるため、日経平均の最高値更新とともにこの水準を抜くのか、それとも日経平均はバブル超えできず、あるいは超えても一時的な動きで終わり、ドル相場もトリプルトップになるのかどうか注目です。

 今週は、日経平均をにらみながらの動きとなり、大きくは動きづらいかもしれません。為替介入への警戒感はあるものの、現在の円安スピードでは当局も動きにくいと思われます。

 そして今週の日本株は米国材料によって左右されるかもしれません。21日公表のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(1月30~31日開催分)や注目のエヌビディアの決算発表(21日)によって、米株式市場が上昇し、日本株も追い風を受けるのかどうか、それとも米株式市場がぐらつき、日本株は足踏みするのかどうか注目です。

 前回12月分のFOMC議事要旨では、ほぼ全ての参加者が2024年末までに利下げを始めることが適切との見方を示しましたが、1月のFOMCでは2024年利下げは適切との見方にばらつきがなかったのかどうか、あるいは利下げの環境条件が議論されたのかどうか焦点となります。1月と比べてややタカ派色がにじみ出ていれば、株にとってはマイナス材料となるため注意が必要です。

 また、今週はFRB高官の発言も複数予定されています。1月のFOMC後の経済環境の変化を踏まえた発言が予想されるため注意が必要です。