「クイズでわかる!資産形成」(毎週土曜日に掲載)の第14回をお届けします。資産形成をきちんと学びたい方に、ぜひお読みいただきたい内容です。

今日のクイズ:三つの高配当銘柄のうち、どれを選べば良い?

<クイズ> 高配当利回り株の選び方について、クイズを出します。

 次のA社、B社、C社の株式のうち、一つを選んで買うとしたら、どれが良いと思いますか?

出所:筆者作成

分からない中で、投資判断しなければならないこともある

 財務が良いか悪いか、収益力が安定的か不安定か、財務諸表や決算説明会資料をよく読み込めば、かなり分かります。ただし、個人投資家の方は、財務諸表の見方をご存じなかったり、ご存じでも読み込む時間を十分に取れなかったりして、よく分からないまま投資判断をしなければならないこともあります。

 今日はそういった場合に、銘柄のどこに着目して投資判断をしたら良いか、確かめるためのクイズです。

 ところで、プロのファンドマネージャーは、投資銘柄の財務や収益力を全てしっかり分析した上で投資しているのでしょうか? 「はい、そうです」と言いたいところですが、必ずしもそうではありません。たくさんの銘柄を急いで売買しなければならないとき、財務分析に十分な時間をかけられずに、投資判断しなければならないこともあります。

 また、十分に時間があって、しっかり財務分析しても、分からないことはたくさんあります。財務が良好そうに見えた会社が、実は不良資産を抱えていて問題があることもあります。財務が一見、ぱっとしない会社でも、実は巨額の含み益を持っていて、財務優良であることもあります。財務諸表を見れば全て分かるわけではありません。

 そもそも、株式投資をする際、全て理解した上で投資することは珍しいと言えます。分からないことがいろいろある中で、リスクを理解し、適切に管理しながら行うのが株式投資です。

高配当利回り株に投資するとき注意すること

 日本株には、予想配当利回りが3%を超える魅力的な銘柄がたくさんあります。

 ただし、一つ注意が必要です。株の配当利回りは、確定利回りではありません。業績が悪化して減配になれば、利回りが低下し、株価も大きく下がる可能性があります。銘柄選択に当たっては、単に予想配当利回りが高い銘柄を選ぶのではなく、長期的に保有して減配になりにくい銘柄を選ぶことが大切です。

 全ての上場銘柄を予想配当利回りの高い順に並べると、上位には7%を超える銘柄もあります。一見魅力的ですが、ここは注意が必要です。予想配当利回りが高過ぎる銘柄には、減配になる可能性が高いものが多いからです。

 減配リスクが低く、高配当の有望銘柄は、予想配当利回り3~5%のあたりにたくさんあります。7%超など利回りが高過ぎる銘柄は要注意です。