クイズの正解:時価総額が大きいC社

 クイズの正解はC社です。時価総額12兆円の超大型株であることが理由です。

 高配当利回り株を選ぶ際、次の三つの条件を全て満たす銘柄があれば、最高です。

  1. 時価総額が大きい
  2. 収益力が安定的
  3. 財務良好

 ただし、【1】~【3】の条件を全てクリアする完璧な銘柄は現実にはめったにありません。条件のうちどれか満たしていないことがほとんどです。

 条件が良い銘柄ほど、予想配当利回りは低くなります。何か少し足りない銘柄の方が、予想利回りは高くなります。リスクを理解した上で銘柄選別をしなければならないのが、普通です。

 実際に投資銘柄を選ぶときは、三つのうち条件【1】だけを満たしていれば、投資候補として十分です。時価総額が5兆円以上ならば、そんなに大きな問題はないと思います。

高配当利回り株は時価総額5兆円以上から選ぶだけでも良い

 予想配当利回りが高い銘柄から、減配リスクが低い銘柄を絞りこむとき、時価総額が大きい(例えば5兆円超)という条件だけ満たすものを選んでも、まあまあ良い銘柄にたどり着けます。

 収益力や財務に問題のある銘柄は、株価が上がりにくく、時価総額5兆円以上に拡大することはないからです。つまり、時価総額5兆円以上の銘柄を選べば、収益力や財務内容はそれなりに良好であると考えられます。【1】だけ満たす(時価総額が大きい)銘柄を選べば、自動的に【2】収益力や、【3】財務でも、まあまあ良い銘柄を選んでいることになります。

 時価総額が5兆円以上でなくとも、3兆円以上や1兆円以上のものでも、そこそこの銘柄が選べます。時価総額のハードルを下げた方が、利回りが高い銘柄を選びやすくなります。その代わり、収益力や財務に少し疑問符が付く銘柄も入ってきます。

 時価総額のハードルを低くするほど、利回りの魅力は高まりますが、収益力や財務のチェックが必要になることを、理解してください。

 それでは、ご参考までに、時価総額3兆円以上、予想配当利回り2.5%以上の23銘柄を掲載します。この23銘柄は、機械的にスクリーニングした銘柄で、買い推奨していない銘柄も含まれます。投資判断はご自身でなさってください。

<時価総額3兆円以上、予想配当利回り2.5%以上の23銘柄:2024年1月30日時点>

出所:時価総額はQUICK、予想配当利回りは1株当たり配当金(会社予想)を30日株価で割って算出、詳細は下の表を参照

<上記23銘柄の株価と1株当たり配当金(会社予想)>

出所:株価はQUICK、1株当たり配当金は各社決算短信
注:三菱商事・キヤノンの1株当たり配当金は、期中に行った株式分割を考慮して修正