「クイズでわかる!資産形成」(毎週土曜日に掲載)の第13回をお届けします。資産形成をきちんと学びたい方に、ぜひお読みいただきたい内容です。

今日のクイズ:鉄鋼A社と情報通信B社、NISAで長期投資するならどっち?

<クイズ>予想配当利回り4.3%の鉄鋼A社と、2.8%の情報通信B社、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)口座で長期投資するなら、どっち?

 過去16年の連結純損益および今期の純利益(会社予想)を見てご判断ください。

<A社B社連結純損益>

【注】A社・B社とも実在の会社。両社決算資料より筆者作成。▲はマイナス(赤字)を示す。

A社は景気敏感株、B社はディフェンシブ株

 A社は過去16年で4回、純損益が赤字に転落しています。特に、コロナショックに見舞われた2020年3月期の赤字額は4,315億円と極めて大きくなりました。鉄鋼業は景気敏感株で、世界景気変動の影響が、業績に大きく表れます。

 一方、B社は不況期でも業績があまり悪化していません。食品、医薬品、情報通信などは景気変動の影響を受けにくい企業が多く、そういう企業はディフェンシブ(景気中立)株といわれます。

 NISA口座で長期投資する高配当利回り株は、なるべくディフェンシブ株から選んだ方がよいといえます。ただし、景気敏感株を保有してはいけないということではありません。景気敏感株の保有が高くなり過ぎないように注意すればよいだけです。

 以下の業種分類表で、上にいくほど景気敏感株が多く、下にいくほどディフェンシブ株が多い業種となります。

<業種分類と、景気敏感度>

出所:楽天証券経済研究所が作成

 この表をご覧いただくと分かる通り、鉄鋼業は、景気敏感度が極めて高い業種です。情報通信業は、企業ごとの差は大きいものの全体として見ると景気敏感度が低い業種です。