今日の為替ウォーキング
今日の一言
灼熱の炎に磨かれる黄金のように、試練によってこそ人は高められる – 大友宗麟
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厚生労働省が1月10日発表した2023年11月の毎月勤労統計調査)によると、1人あたりの賃金は物価を考慮した実質で前年同月比3.0%減った。マイナスは20カ月連続だ。
日銀の植田総裁は、実質賃金について「マイナスのままでプラスに転じないことを非常に心配してみている。家計にインフレが大きな負担となっている」とコメントしている。
原材料の高騰に円安が追い打ちをかけて、日本のインフレ率は上昇している。一方で賃金の伸びはインフレ率に追いついていない。その結果、実質所得は減少の一途をたどる。海外の消費者はクレジットで買い物を続けて生活水準を維持するが、日本の消費者は生活を切り詰める傾向が強い。消費が縮小すると、企業は値上げを続けることができなくなって、インフレが一過性で終わってしまう可能性が高い。
これこそが、現在の日銀の政策運営にとっての最大の問題点だ。利上げをしなければインフレ上昇は止まらない。しかし、実質賃金はさらに安くなり消費が縮小する。かといって利上げをすれば、インフレは低下するかもしれないが、日銀の物価目標は未達成に終わる。金利高が日本を不景気にするので、これまた消費が縮小する可能性があるのだ。