※この記事は2021年12月10日に掲載されたものです。
Q5 病気やケガで働けなくなった場合、どうすれば?
A5 公的な保障>職場の保障>自助の順で手厚い保障あり。使えるサポートを知っておこう
「働けなくなる・障害」といったリスクに備えるためには、どのように備えていけばよいのか、確認していきましょう。
まずは基本的な考え方の確認からです。
この順番で考えていくことが大切でした。
公的な保障 → 職場の保障 → 自助
では、具体的に、「働けなくなるリスク」・「障害状態になるリスク」に備えるにあたり、どのような公的な保障・職場の保障・自助があるのか、確認していきます。
公的な保障
まずは公的な保障からです。
傷病手当金(公的医療保険)
病気やケガなどで仕事ができなくなった時、まずお世話になるのが傷病手当金になります(ただし、会社員・公務員の方のみ)。
内容については、公的医療保険のところですでにご説明していますので、そちらをご覧いただきたいのですが、
病気やケガで仕事ができなくなり、職場からその間お給料をもらえない場合に、4日目以降最長1年6カ月間、普段のお給料の3分の2くらいが給付される
というものです。
普段のお給料の3分の2くらいが給付されるということですから、逆に言えば、普段からそのくらいの生活費で暮らしていれば、最長1年6カ月は普段通りの生活が維持できるはず、ということになります(もちろんこの時は、普段と異なり、医療費など別途発生しているかと思いますが)。
障害年金(公的年金保険)
障害の状態ということが認定されると、障害年金を受給することができます。
こちらについても、すでに公的年金保険のところでご説明していますので、詳しくはそちらをご覧いただきたいのですが、
障害状態になると、約78万円(もしくはその1.25倍)、さらに18歳以下くらいの子どもがいる場合は加算額が給付される
というものです。
職場の保障
会社員・公務員の方は、職場の福利厚生により、給付がある場合があります。
例えば、傷病手当金は「普段のお給料の3分の2くらいが給付される」わけですが、残りの3分の1に相当する金額のうち、一部を追加で給付しているところがあります。
また、傷病手当金は最長1年6カ月ですが、1年6カ月を超えた期間について、最長3年まで一定金額が給付されるというところもあるようです。
会社にとって従業員であるみなさんは大切な戦力ですから、働けなくなった場合の給付については、手厚くしているところも多いのではないでしょうか。
ご自身の会社の給付内容について、ぜひ一度ご確認いただければと思います。
自助
最後に、自助努力ということで民間の生命保険が選択肢になります。
「所得補償保険」もしくは「就業不能保険」という名称で販売されており、公的医療保険の傷病手当金を補完するようなイメージの商品になります。
つまり、傷病手当金は、働けない状態が継続していても最長1年6カ月しか給付されませんが、2年、5年、10年などと長期にわたって、一定額が給付される保険が「所得補償保険」もしくは「就業不能保険」になります。
なお、似たような名称で「収入保障保険」というものもありますが、こちらは「死亡」もしくは「高度障害状態」となった場合に、遺族に対して月額いくらという形で支給されるというものです。
働けなくなった時に備えるタイプの商品ではなく、死亡に備える商品と言えますので混同しないようにしましょう。
まとめ
「働けなくなるリスク」や、「障害状態になるリスク」についても、公的な保障、職場の保障、自助ということで見てきました。
普段からここまで考えて、保険内容を見直したりしている方はあまり多くないと思いますが、改めて、国民皆保険、国民皆年金ということで、自動的に保障されているということをご理解いただければと思います。
次の記事は[6-6]自分や配偶者が死亡したら、いくら必要?>>
ファイナンシャルプランナー。株式会社ウェルスペント 横田健一さん Twitter @ken1yokota でも情報発信中! |