年末ラリーを予想

 米国株は年末にかけて力強くラリー(上昇)すると予想します。そう考える理由は今後米国の物価が沈静化することが期待できること、雇用市場にも減速の兆しが出てきたこと、それに呼応するカタチで米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)が利上げの手を休めると見られること、などによります。

ガソリン価格の下落は景気減速を反映

 米国のガソリン価格は2022年2月24日にロシアがウクライナへ侵攻したことを受けて$3.50から$5.00まで急騰しました。しかしその後鎮静化し、最近では今年の9月を境に再び下落基調へ転じています。

 現在のガソリン価格の軟調は、秋口まで堅調だった米国経済が、折からの高金利がもたらす金融コンディションのタイト化で、いよいよ減速し始めたことを反映しています。

雇用市場も落ち着いてきた

 下は求人サイト、インディードに掲載された求人の数を示したチャートで、雇用主がどのくらい積極的に雇用しようとしているかに関し、ひとつのデータポイントを提供しています。

 これを見ると新型コロナ終息後の経済再開の後、ぐんぐん伸びていた求人数は去年の年末にピークを打ち、逆に今は沈静化しつつあることがわかります。

 これらのことは米国経済が今後ゆっくりとスローダウンする可能性が高いことを示唆しています。それに合わせて、しつこかった賃金インフレも一段落するでしょう。

FRBはもう利上げしない

 FRBは過去1年半に渡りインフレ退治を最優先事項としてきました。しかし最近はメッセージを改め、雇用の最大化と物価の安定のバランスを取ってゆくというスタンスに代わってきています。

 それは過去に見られたようななりふり構わぬ利上げは、もうしないことを意味します。実際、米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レートは7月の利上げを最後に5.25~5.50%の水準に固定されたままです。

年末に向けての投資戦略

 FRBがもう利上げしないということは政策金利面での逆風が止んだことを意味します。これは安心して株式を買い進んで良いことを意味します。

 折から11月、12月はアノマリー的に米国株が強い季節であることが知られています。ここは積極的に参戦したいと思います。