ソフトウェア・アズ・ア・サービスの投資機会

●ソフトウェア・アズ・ア・サービスとは

　ソフトウェア・アズ・ア・サービスはSaaSと略され、ネットを通じて色んな便利なサービスを享受できる定期購入型ビジネスを指します。

　SaaSは2016年くらいから米国の株式市場で人気化し、たくさんの企業が登場しました。ソフトウェア開発チームがコラボしクラウド上で仕事を進めるための色々なツールを提供しているアトラシアン（ティッカーシンボル：TEAM）、ユーザーのアイデンティティをクラウドで管理することでアクセス権を細かく付与・はく奪出来るオクタ（ティッカーシンボル：OKTA）、SMSのメッセージを予めプログラム化することでカンタンに組成・送信でき、本人確認やカスタマー・エンゲージメントを促進するトゥイリオ（ティッカーシンボル：TWLO）などがそれです。

　その後2021年まで続いたIPO（新規株式公開）ブームでたくさんのSaaSが乱立したわけですが、新型コロナ終息にともなう経済再開で成長の中心がリアルでの活動へと移って行く過程でアグレッシブ・グロース株の弱気相場が始まり、いまは下のチャートのように株価が低迷している企業が多いです。
 
　これらの企業の全てがダメか？　と言えばそうではないと思います。この中には高い成長率を維持でき、収益性を向上する見込みがあり、ユーザーの満足度も高い企業があります。

　今日はそのようなダイヤモンドの原石のような銘柄を紹介します。

●デュオリンゴ

　デュオリンゴ（ティッカーシンボル：DUOL）は語学独習アプリの会社です。ゲームのような感覚で、楽しみながら自然に新しい言語を学ぶことが出来ます。世界には外国語を学ぶ人が20億人も居ます。そしてそれらの学習者はスマホ・アプリで学習することが一般的になりつつあります。語学学習アプリの分野で同社はナンバーワンです。第2四半期の時点でデイリー・アクティブ・ユーザー数は前年同期比＋62％の2,140万人でした。課金顧客数は前年同期比＋59％の520万人でした。総ユーザーに占める課金顧客比率は7.9％でした。第2四半期の売上高は前年同期比＋44％の1.27億ドル、純利益は370万ドルの黒字でした。コンセンサス予想は2023年が＄1.97、2024年が＄2.33です。

●サムサラ

　サムサラ（ティッカーシンボル：IOT）はIOT(インターネット・オブ・シングス)のソフトウェア企業です。同社は運送会社、航空宇宙、半導体、エネルギー、政府部門など幅広い企業に対し彼らの経営資産を監視・保全し効率的運営を助けるためのソリューションを提供しています。第2四半期の時点で年間10万ドル以上の売上高のある大口顧客数は1,515社です。アニュアライズドリカーリングレベニュー（ARR）は前年同期比＋40％の9.3億ドルでした。第2四半期の売上高は前年同期比＋43％の2.19億ドルでした。1月が年間決算の〆で、2024年のコンセンサス予想は2￠、2025年は7￠となっています。

●モンゴDB

　モンゴDB（ティッカーシンボル：MDB）はソフトウェアデベロッパー向けのデータ・プラットフォームをクラウドを通じて提供している企業です。IT環境がモノリシックでフィジカルなものからどんどんサーバーレスなマイクロサービスへと移行して行く中でデータレイヤーだけが進化してきませんでした。同社はドキュメント・モデルというデベロッパーに使いやすい柔軟でスケーラブルなアーキテクチャを採用することでエンジニアが使いやすいデータレイヤーを実現しています。AIではデータレイヤーがとても重要になるので、AIブームはモンゴDBにとってもフォローの風が吹くことを意味します。同社の会計年度は1月〆で、2024年のコンセンサスEPSは＄2.34、2025年のコンセンサスEPSは＄2.77が予想されています。

●マンデードットコム

　マンデードットコム（ティッカーシンボル：MNDY）は比較的ソフトウェアに明るくない人でもクラウドを通じて自分のイメージに合ったアプリケーションやプロジェクト管理システムを構築できる、いわゆるローコード・ノーコードのプラットフォーム企業です。第2四半期の売上高は前年同期比＋42％の1.76億ドルでした。年間請求額で5万ドルを超える大口顧客数は前年同期比＋63％で成長しています。修正フリー・キャッシュフローは4,600万ドルで、修正フリー・キャッシュフロー・マージンは26％です。2023年のコンセンサスEPSは96￠、2024年のコンセンサスEPSは＄1.37です。

●センティネルワン

　センティネルワン（ティッカーシンボル：S）はロボットのハッカーに対しAIで武装したロボットで対抗する、マシン対マシンのサイバーセキュリティのサービスをクラウドを通じて提供している企業です。同社のXDRプラットフォームは世界最初のAIで駆動されたサイバーディフェンスシステムです。第2四半期の売上高は前年同期比＋46％の1.49億ドルでした。アニュアライズドリカーリングレベニューは前年同期比＋47％成長の6.12億ドルでした。グロスマージンは70％でした。同社の決算は1月〆で2024年のコンセンサス予想は－39￠となっています。