※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「日経平均3万円へ下落あるか?米ハードランディング不安再燃」
米金利高止まりを嫌気した世界株安が続いている
先週(10月23~27日)の日経平均株価は1週間で267円下落して3万0,991円となりました。26日に一時3万0,567円まで下がりましたが、3万1,000円割れでは押し目買いも入り、なんとか3万1,000円近くに戻した形です。
米長期金利が5%近くに高止まりし、米国株下落が続いていることから、日本株にも外国人と見られる売りが続いています。先週のナスダック(ナスダック総合指数)は1週間で▲2.1%、NYダウ(ダウ工業株30種平均)も▲2.1%の下落でした。ドイツDAX指数は先週▲0.8%の下落で、グローバルに株安が続いています。
米景気はしぶとく好調で、26日に発表された7-9月米実質GDP(国内総生産)は前期比年率+4.9%と高い成長率でした。そのために米長期金利の高止まりが続き、それが米景気ハードランディングの不安を高めています。
株は、長期はファンダメンタルズ(景気・企業業績)で動くが、短期はテクニカル(需給)で動きます。テクニカル分析で日米とも弱い形となっており、短期的に下値リスクへの警戒が必要です。まず、米ナスダック総合指数の週足チャートからご覧ください。
米ナスダック総合週足:2023年1月3日~10月27日
米景気がしぶとく好調で、米景気ソフトランディング期待が高まった5月には、連続で陽線をたてて1万3,000ポイントを達成しました。ところが今、米景気が強いために米長期金利の上昇が続いていることが嫌気され、ナスダックは二番天井をつけて下げる弱い形です。
ナスダックは今のところ1万3,000ポイントで下げ止まらず、下値メドが分かりにくくなっています。
こうした状況を受けて、日経平均も二番天井をつけて下げる弱い形となっています。
日経平均週足:2023年1月4日~10月27日
日本株のファンダメンタルズ(景気・企業業績)は良好で、日本株は割安、長期投資で「買い場」の判断は変わりません。ただし、上の日経平均週足を見ると、テクニカルには3万1,000円の防衛ラインが守れるか不透明です。長期的には良い買い場、短期的には下値ショックに備える必要のある難しい局面であることを考えたリスク管理が必要です。
日経平均は、ナスダックほど弱くはありません。3万1,000円を下値抵抗線として意識する買いも入ってきています。10月に入ってから2回、3万1,000円割れを試した局面で、押し目買いが増えて、3万1,000円を回復しています。ただ、ナスダックが崩れる局面が続いているので、日経平均3万1,000円割れをトライする動きはさらに続きそうです。