7~9月の企業業績は良好と予想、中国景気悪化は逆風

 日米とも株式市場では、本格化しつつある7-9月決算の発表に注目が移っています。9月の日銀短観DIが好調であったことから、日本の企業業績は良好と予想しています。リオープン(経済再開)・円安・堅調な米景気が、企業業績に追い風となります。

 ただし、これまでの決算発表で、中国景気悪化を原因とする業績の下方修正が出ていることには注意が必要です。ニデック(6594)オムロン(6645)など、中国関連株(中国での事業ウエートの高い日本企業)が減益となり、通期(2024年3月期)の業績見通しを下方修正しています。

日銀短観、大企業製造業・非製造業DIの推移:2018年3月~2023年9月

出所:日本銀行「短期経済観測」より楽天証券経済研究所が作成

 日本株の投資判断は、いつも述べていることと同じです。日経平均は短期ショック安が続く可能性があります。日本株のファンダメンタルズが良好であることを考えると、3万円まで売られることはないと思いますが、短期的には何が起こるか分かりません。

 それでも、長期的には良い買い場を迎えていると判断しています。時間分散しながら割安な日本株を買い増ししていくことが、長期的な資産形成に寄与すると考えています。

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