米国高配当株5:ファイザー(PFE)
患者さんの生活を大きく変えるブレークスルーを生みだす~Breakthroughs that change patients’ lives~という企業目的を掲げる世界をリードする研究開発型の製薬企業です。
新薬開発を原動力として革新的医薬品とワクチンの研究・開発・製造を行い、世界中の患者さんに速やかに、そして公平に届けることができるよう、医療機関、規制当局などのステークホルダーと緊密に連携しています。
ファイザーは、国内外で得た豊富な臨床データを活用することによって、患者さんの生活を大きく変える医薬品を各国で同時に開発し、世界中の患者さんに届けることをめざしています。
時価総額は1,872億ドルで、日本円で約27兆9,800億円となっています(1USD=149.50円換算)。
事業の注目ポイント
事業は「バイオファーマ事業(Biopharma)」の単一事業となります。
売上の中心である「コミナティ(Comirnaty)」はコロナウイルス感染症のワクチンであるコミナティRTU筋注であり、「パキロビット(Paxlovid)」はコロナウイルス感染症の経口抗ウイルス薬、「エイキュース(Eliquis)」は静脈血栓塞栓症の治療と再発予防、「プレベナーファミリー(Prevnar family)」は効果的な肺炎球菌感染症予防を対象とした薬となっています。
競合他社
競合他社として、生物学的療法、ワクチン、動物用医薬品などの処方薬を通じて健康ソリューションを提供するメルク(MRK)、バイオ医薬品の発見、開発、ライセンス供与、製造、マーケティング、流通、販売を行うブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)などがあります。
株式の注目ポイント
株価は年初の水準を下回って推移していますが、配当は11月の権利落ちで340回連続の四半期配当となります。昨年業績が良かったこともあって株価が上昇していましたが、今年に入ってから主力製品の売り上げ減少によって株価が下落しています。
ファイザーは現在、革新的ながん治療薬の発見、開発、商業化を行う世界的なバイオテクノロジー企業であるセーゲンの買収提案を行っており、第2四半期中には310億ドルの資金調達を成功裏に完了し、その資金をセーゲン買収のための資金調達の一部として使用する予定であると発表しており、今後これらの動きが市場で評価され株価が回復することが期待されます。
業績動向
2023年8月1日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。
市場予想を上回ったものの前年同期の業績に比べると大きく落ち込んでおり、株価の回復にはいたっておりません。
会社側は、2023年第2四半期はCOVID-19製品を除き営業収益が5%増と堅調に推移し、累計業績は予想通りで短期的には個々の製品の収益に若干の課題があるものの、2023年後半にCOVID-19以外の製品の成長を加速させる体制が整っていると考えていると発表しています。
また、ファイザーは1年半の間に19の新製品を上市するという目標に向けて大きく前進し、これまでに11もの新製品を上市していますが、それらが今後の業績回復につながっていくことが期待されています。
次回2023年10月31日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。
注意点
コロナワクチンのように非常に売れる薬が出ることで業績が急拡大することもありますが、一方でそういった商品が出ない状況が長く続くと株価と業績が長期停滞する可能性がある点には注意が必要です。
株価動向、配当利回り紹介
配当:1ドル
配当利回り:4.98%
株価:32.92ドル(約4,900円)
この銘柄、権利落ち日は11月9日(権利実施は12月4日)です。
配当利回りは10月13日時点で4.98%、株価は10月13日終値が32.92ドルでおよそ4,900円から購入できます(1USD=149.50円計算)。
2020年からの最高値は61.25ドル、最安値は27.01ドルとなっています(終値ベース)。
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