[1]高配当銘柄とは?
さて、いよいよ高配当銘柄について解説しましょう。高配当は「配当が高い(多い)」ことだから、一般的な株の配当の金額よりも、高い(多い)お金が得られる株だろうな、という想像ができますよね。でも、単純に配当の金額が多ければ高配当というわけではありません。
A社の年間配当金額が20円、B社の配当金額が10円だとすると、A社のほうが高配当に見えますが、本当にそうでしょうか? ここで忘れてはいけないことは、その株をいくらで買ったのか、または買うつもりなのかということです。
ここで「配当利回り」という指標が登場します。配当利回りとは、株を購入したときの株価に対して年間でいくらの配当を受けることができるかの割合を示すもの。
配当利回りの計算式
配当利回り(%)= 1株当たりの年間配当金額 ÷ 1株当たりの株価 × 100
高配当銘柄の目安は一般に3%を超えていることとされています。参考までに東証1部全銘柄(加重)の平均配当利回り(予想)は2.31%(※2020年5月8日当時)です。平均と単純に比較すれば、1%台では低く、2%台なら普通、3%を超えれば高配当と言えるでしょう。
先ほどのA社の年間配当金額が20円、B社の配当金額が10円の例を当てはめてみます。1株当たりの株価はA社1,000円、B社の株価が200円とした場合、A社の配当利回りは2%、B社は5%となり、B社のほうが、配当利回りが高く、3%を基準に考えるとB社は高配当銘柄ということになるわけです。
また、C社の年間配当金額が20円、D社の年間配当金額も20円、でも株価はC社1,000円、D社500円では、C社は2%、D社は4%となり、高配当銘柄といえるのはD社となります。
この計算式を使って高配当銘柄を探す場合の注意点は、「1株当たりの年間配当金額」に過去の配当金額ではなく、先に紹介した1株あたりの「配当予想」を使うことと、「1株当たりの株価」に株を買う時点の株価を使うことです。詳しくは[3]高配当銘柄の探し方-日本株編で説明しますが、楽天証券のスクリーニング機能を使って探すときは、検索条件を、「配当利回り」ではなく「配当利回り(予)」としてください。