国慶節8連休も国内旅行需要は旺盛、アウトバウンドの回復は限定的に

 中国の2023年の中秋節・国慶節は8連休(9月29日-10月6日)という異例の長期休暇となり、旅行市場の活況が見込まれている。特に国内旅行需要は旺盛で、前年同期実績だけでなく、コロナ前の2019年同期の実績を上回る見込み。半面、海外旅行は航空便数の制約や人民元安の影響を受ける見通しという。BOCIは旺盛な季節需要と消費行動の変化を踏まえ、業種別では旅行予約プラットフォームに最大の恩恵が及ぶとの見方。ホテル部門に関しては宿泊料金の上昇による一定の恩恵を予想しながらも、消費回復の遅れが中高価格帯市場に影響するとみている。ただ、いずれにせよ、コロナ後のペントアップ需要が一段落する中、この8連休は国内の消費動向を見極める上でも重要。11月の大型ネットセールイベント「ダブルイレブン」(11月11日の独身の日)に対する洞察を得る機会にもなるという。

 この連休中は旅行・観光需要の大幅増が見込まれるが、これは8連休という長さに加え、コロナ禍でのロックダウンの影響で前年同期実績が低いこと、アウトバウンド関連規制の解除などが理由。旅行予約プラットフォームにおける予約状況は好調であり、データ分析のiyiou.comによれば、国内線の航空券予約は2019年同期比で20%超の伸びを示す見込み。ホテル予約はさらに大幅な伸びとなる可能性がある。

 ただ、アウトバウンドの回復は限定的となる可能性が高い。海外行きの航空輸送キャパがコロナ前の5割程度にとどまる中、航空運賃の高騰が需要に影響する見込み。ただ、香港・マカオ路線は制約が少なく、力強い回復が期待されている。

 BOCIは8連休中の旅行需要に対して楽観的だが、半面、これを一過性のイベントと捉えた場合、1人当たりの消費支出が焦点になるとの見方。仮に消費が引き続き低調であれば、旅行市場全体、さらには消費全体に対する市場の慎重見通しが続くとしている。そうなれば、一大ネットセールイベント「ダブルイレブン」に対する期待値が後退し、消費セクター全体の重しとなる可能性があるという。

 また、8連休中の旅行取扱量は力強い伸びを示す見通しだが、マス市場が中心になると予想。ホテル部門では、各社がシェア拡大を目指す中価格帯市場で、競争が激化するとみている。一方、旅行予約プラットフォーム各社にとっては、補助金やプロモーション活動の強化が10-12月期の営業利益率に影響する可能性がある。

 業種別では、BOCIは旅行予約プラットフォームを最有力視。個別では同程旅行(00780)をトップピックとした。小都市部と国内旅行を主力に据えた戦略が理由。最近の快手科技(01024)との提携も総流通額(GMV)を押し上げる可能性を指摘している。同時に、最近株価の調整が鮮明な予約プラットフォーム最大手、トリップ・ドットコム(09961)に対しても強気。タイの中国人向けビザ免除措置などが支援材料になるとみている。