Q FIRE後、今の生活は?

自然環境の豊かな場所に移住し、興味あることをやる

 以前は都会に住んでいましたが、FIRE後は、自然環境が豊かなところへ移住しました。そして、その時々でやりたいことをやっています。農業や林業に携わったり、大型特殊機械に乗って除雪オペレータをしてみたり、2022年は新たな挑戦となる新刊を執筆したり。ブログも続けており、引き続き資産運用のご相談などにお答えしたり、今の生活を綴ったりしています。FIREして、書籍を発刊してから、新聞や雑誌などからの取材や対談などの時間も増えました。今までは触れることのなかったいろいろな世界を知り、とても刺激的な毎日です。

Q FIRE後のマネー収支は?

思いがけない収入があり、資産は1億円を突破した

 FIRE当初は、FIRE後のキャッシュフローは、配当金が大きな柱になると想定していました。しかしいざFIREしてみると、配当金以外にも、書籍をふくむ文筆業や、農業など興味ある活動から複数の収入がありました。ブログの読者もFIREしてから増えました。

 一方で生活費は、移住したこともあり固定費が減りました。今は、収入が支出を大きく上回っています。市場の好調も追い風に、資産は大台に乗りました。今は配当金を追加的に得る必要がなくなったため、配当にかかわらず、堅牢性があると思える銘柄を購入しています。

Q FIREしてよかったと思うことは?

主体的に人生を描ける

 毎日、「主体的な日々を送ることができ、よかった」と思っています。経済的に自立し、時間的な余白を得たことで、精神的にも余裕を持ちつつ、主体的に人生を描くことができます。朝何時に起きるか、その日何をするか、どこに行くか、誰と会うか、何時に寝るか、どこに住むかなど、すべて主体的に決めることができます。もちろん、何かをした後「こうすればよかった」と思うことも時にあります。ただし、自分で決めたことは自分に責任があるため、「こうすればよかった」と一瞬思っても、すんなり受け入れることができます。主体性は、結果にかかわらず納得感をもたらします。

Q FIRE志願者にアドバイスを!

どんなときに幸せを感じ、どんな人生を描きたいか自問自答してみる

 私は給与の約8割、ボーナスはほぼ全額投資にあて、いかに「収入-支出」を大きくして、入金力を最大化することに注力しました。ほかにも、知恵を絞ってできることはとことんやりました。しかし、何割を投資に回すのか、正解が決まっているわけではありません。

 価値観も、大事にしたいことも、人によって違います。まずは自分が大事にしたいこと、幸せに感じること、一度きりの人生をどう生きたいのか、などをじっくり考えてみてはいかがでしょうか。

 何に投資するかについては、米国株が有力な一案です。現時点では、過去の傾向として長期的に成長しており、今後もその成長性に賭けやすいと考えられるからです。ただし、もちろん今後も成長する保証はないため、妄信は禁物です。

 投資経験が浅く個別株を買うのは不安で、近い将来に配当金を多く得たい方は、米国の高配当ETFが一案だと私は思います。米国の高配当ETFは、「VYM」「HDV」「SPYD」などがあります。ETFは「上場投資信託」というように、何十、何百の企業に分散されており、簡便に分散投資をすることができます。また、これらの高配当ETFであれば、分配金(個別株投資における配当金のこと)を比較的多く受け取ることができます。

 FIREというのは、あくまで人生の選択肢を増やす手段の1つであり、ほかの生き方を否定するものでもなければ、働かないことを直線的に意味するものでもありません。今の職業にやりがいがあり、「道楽化」している人は、FIREをめざす必要性は生じないかもしれません。逆にFIREしてから「道楽化」できる職業・興味ある活動を見つけられることもあるでしょう。その「道楽」を職業と呼ぶのか、仕事と呼ぶのか、趣味と呼ぶのか、興味ある活動と呼ぶのか。呼び方が違うだけです。

 FIREをめざす人・めざさない人、どちらの方々にも言えることだと思いますが、まずは自分や家族のことを深く知り、何を成し、どういう人生を描きたいのか、とことん掘り下げてみる。まずはそこから始めてみてはいかがでしょうか。

どう変わった?FIREのBEFORE→AFTER

 

FIRE前

FIRE後

起床時間

5時半~7時

5時半~8時。好きな時に起きる

収入源

給与、運用益など

文筆業、運用益、興味のある活動など

精神的疲労度

 

穂高さんのFIRE LIFE

※日によって異なるため、一例です。

・6時頃  起床
午前中 ・料理
  ・WSJ(英語)・CCTV(中国語)など語学レベルの維持も兼ねてニュースチェック
  ・メールチェック
  ・ブログを書く(資産運用の相談に応える)
  ・その日にやりたいこと(農業など、日によって異なる)
午後 ・その日にやりたいこと(登山、興味のある文献・書物を読むなど、日によって異なる)

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