今日の為替ウォーキング
今日の一言
運命は我らを幸福にも不幸にもしない。ただその種子を我らに提供するだけである - モンテーニュ
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米国のインフレ率は 2022年6月に9.1%まで上昇してピークをつけたあと、2023年6月には3.0%まで下げた。しかしその後は足踏み状態が続き、今年の1月から3月にかけては上昇に転じた。インフレ率がこのまま高くなるなら、利下げは来年まで延期、場合によっては再利上げもありえる。そのような懸念が高まるなかで発表された5月のCPI(消費者物価指数)は、総合、コアの両方とも市場予想を下回る結果となった。
総合CPIは、前年比3.3%上昇と、前月(3.4%)から鈍化した。前月比は横ばい(0.0%)だった。エネルギーと食品を除くコア指数の上昇率は、前年同月比3.4%で、4月の3.6%から減速した。前月比は0.2%上昇で、前月(0.3%)から低下した。
CPIの構成品目別では、新車や運送サービス、衣料品価格の下落が目立った。一方でOER(所有者居住相当家賃)の5月は前月比0.43%(前月0.35%増)で、減速ペースとしては2021年以降で最も遅い状況が続いている。OERは住宅コストを反映する重要な指標で、CPIにおける住居費の大部分を占める。FOMC(米連邦公開市場委員会)メンバーがインフレ低下に確信が持てずにいるのは、OERに低下傾向が見られないことが大きな理由である。逆に言えば、OERが下落すれば、インフレ改善に大きな進展があることを意味する。
CPIの結果が事前予想よりも高くなるという、昨年末から続いていた「アップサイド・サプライズ」のパターンが崩れたことは、インフレが終息に向けた「正しい方向」へ進みはじめたサインだ。FRB(米連邦準備制度理事会)にとっては安心材料ではあるが、利下げを確信するにはまだまだ物足りないようだ。