今年の米国株式は「季節性」を繰り返すか

 7月までの株高を支えた好材料はいったん織り込まれ、8月から秋までは株価調整が続きやすいとの見方が浮上しています。これには「アノマリー」と呼ばれる季節性(経験則)による影響もあります。

 図表2は、1993年から2022年までの30年間における米国株(ダウ工業株30種平均)と日本株(日経平均株価)の年間推移について、年初を起点にして年末までどのような平均的軌道をたどったかを検証したものです。

 長期市場実績によると、「7月まで上昇した株式は夏場に不安定となりやすく、秋に底入れした後は年末に向けて高値を更新した(年末高が示現した)」との傾向がみてとれます。毎年必ず繰り返されるパターンではなく、将来の投資成果を保証するものではありません。

 ただ、こうした相場の季節性は世界の市場関係者やアルゴリズムが共有するイメージとしてとらえた方が良さそうです。定量的な傾向として知られる季節性ではあっても明確な根拠は解明されていません(だからこそアノマリーと呼ばれます)。

 日本でも「夏枯れ相場」と呼ばれ、株価が夏から秋まで調整しやすい傾向が言われてきました。大きな調整を経ずに続いた堅調相場が、夏場に一服局面(株価反落や日柄調整)を迎えても不思議ではありません。投資戦略としては「長期投資」の基本姿勢を崩さず、相場が下落する場面では「押し目買い」や「積み増し買い」を検討したいと思います。

<図表2>長期市場実績で日米株式の「季節性」を振り返る

(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(1993年初~2022年末)