チェックポイント2
相場の戻りを待つことに意味がある資産か?
様子見をする時にもう一つ忘れてはいけないことは、保有資産が価格の戻りが期待できるのかという点です。
コロナ・ショックのような経済情勢の悪化、景気後退を引き起こす出来事の場合は、その前後で投資するべき対象も変わってしまうことがあります。せっかく相場が戻っても、保有資産が戻らなければ意味はありません。コロナ・ショックによる下落で特に影響を受けたのは、株式かREIT、もしくはそれらを含む投資信託へ投資していた方でしょう。
●株式
株価は短期的には需給関係で大きく動きますが、中長期的には企業業績と将来の期待値が重要です。今後の業績下落はどうでしょうか? 短期的なのか、先が見通せないのかによって保有し続けるべきか判断が分かれるところです。
●REIT
REITにとって重要なのは、賃料収入と物件価格です。コロナ・ショックで観光業が壊滅的な痛手を被っていると同時に、ホテル系のREITは賃料収入が暴落しています。
しかし、物件価格はどうでしょうか? NAV倍率(*)は0.6倍割れの銘柄が大多数になりました。本来の不動産価値や賃料収入がそれほど変動していない物件であれば戻りも早いかもしれません。
* NAV倍率:現在の投資口価格が純資産価値に対し、何倍かを示しているもの。 株式でいう「株価純資産倍率(PBR)」のような値
これらは投資判断の一例ですが、短期的な目線と中長期的な目線を分けて考えなければ、間違った判断をしてしまいます。保有していた商品はどんな投資目的・期間を考えて購入したのでしょうか?