連邦公開市場委員会
米国の政策金利を決定する会合はFOMC(米連邦公開市場委員会)と呼ばれます。次のミーティングは6月13・14日です。
今回は利上げが見送られるというのが多くの市場参加者の予想です。私も今回は利上げしないと思います。
米国の政策金利はフェデラルファンズ・レート(略してFFレート)と呼ばれ、現在の水準は5.00~5.25%です。
最近、FRB(米国連邦準備制度理事会)の高官は「今回、利上げを見送ったからといって、それは今後もう絶対利上げしないということではなくて、必要であればまた利上げする」という意味のことを繰り返し発言しています。
実際、今週だけでもオーストラリア中銀、カナダ中銀が相次いで利上げを再開しました。
足下の経済指標もしっかりした内容であり、景気が崩れてきている印象はありません。
従ってさらなる利上げの可能性がほのめかされる可能性は十分にあります。
CPI(消費者物価指数)
次の重要な経済指標の発表は6月13日の消費者物価指数です。ちなみに前回の発表ではCPIは4.9%、コアCPIは5.5%でした。
今回の発表でも前年比較が容易(=去年2月にウクライナで戦争が勃発し6月までエネルギー価格が上がり続けたため)なことから、それなりに良い改善が見られると予想されます。
マーケットの反応
市場参加者の間では今年の春先に見られた「年内に3回の利下げがある」というようなシナリオが後退し、いまはせいぜい1回の利下げしかないというコンセンサスになっています。言い換えれば金利にはどちらかといえば上昇プレッシャーが働いているのです。
もし金利がじわじわ上昇するようなら先駆けした大型ハイテク株はスピード調整を強いられると思います。それと対照的に実に多くのセクターがリーズナブルなバリュエーションで取引されているため、そちらへ資金がシフトすることも十分に考えられます。
こうしたリバランスは全体としては指数を少し押し下げるかもしれませんが、夏場には深い調整はないというのが私の考えです。もしリスクがあるとすればそれは秋口だと思います。