1991(平成3)年6月3日

長崎県島原半島の雲仙・普賢岳で大火砕流が発生

 

 1991年6月3日、雲仙・普賢岳の噴火により火砕流被害が発生しました。

 雲仙岳(うんぜんだけ)は、長崎県の島原半島中央部にある活火山で、最高峰の平成新山(1,483メートル)を中心に、周囲に、普賢岳(1,359メートル)の他、20の山々で構成されています。過去の観測データにより1968年頃より火山としての活動期に入っていたということが判明しており、1991年の噴火後、1995(平成7)年にようやく終息宣言が出されました。

 噴火活動は、島原半島、特に島原市と深江町に大きな被害をもたらし、この時発生した火砕流は、溶岩ドームから下方約4キロメートルまで流れ出しました。最盛時は約30万立方メートルで、300~400度の溶岩を噴出。時速約100キロメートルに達する勢いで町を飲み込み、被害にあった大野木場小学校などは再建不可能な損傷を受けました。

 雲仙普賢岳の噴火による建物の被害状況は、火砕流によるものと土石流によるものを合わせて2,511棟で、被害額は2,299億円となっています。避難勧告により約1万1,000人が危険区域より避難していましたが、報道関係者、火山学者、消防団員、警察官、住民など43名の死者と行方不明者、9名の負傷者を出す惨事となっています。

 観測により、山の様子がおかしいと警告が出ていましたが、噴出開始時期の特定ができなかったこと、また「避難勧告」では避難の協力をお願いするという形になり強制力がなかったこと、火砕流に対する認識が低く車で逃げ切れるだろうと予測したことなどが、多くの人的被害をもたらしたと言われています。

 

1991 年6月3日の日経平均株価終値は

25,912円61銭

ライター FIX JAPAN 前沢ともあき