米ドル/円は、米指標好調で115円に迫るが、売りに阻まれる。

昨日（2017年02月15日）の動向

前日のイエレン議長の議会証言で114円台まで円安が進んだ米ドル/円は、高値圏でもみ合いとなりました。

この日は米国の小売売上高、消費者物価などの注目指標が発表されましたが、いずれも予想を上回る強い結果。NY時間の米ドル/円は買いが強まり、昨日の高値を超えて114.95円まで上昇しました。しかし115円手前の売りに阻まれると、113.86円まで急落。終盤には114円台へ戻し、終値は114.188円（前日比-0.074円）でした。

イエレン議長は、「利上げを待ちすぎるのはリスク」との考えで、早期利上げに前向きですが、この日も行われた議会証言でも、利上げ時期について明言することはありませんでした。マーケットでは、FOMCの利上げは5月になるとの見方が増えています。ただし、3月のFOMCではイエレン議長から一歩踏み込んだ発言が出てくる可能性もあります。3月利上げが見送りになっても、期待が薄れることはないでしょう。

クロス円も堅調。欧州通貨とは対照的に豪ドル/ドルが堅調なため、特に豪ドル/円は強く、昨年の高値を越えて2015年12月以来となる88円台にのせました。

ポンド/ドルは下落。この日の英雇用レポートで、失業率が低下しているにもかかわらず、賃金が伸びていないことが懸念材料となりました。英国のインフレ率が上昇を続けるなら実質賃金は更に下がることになり、消費が後退するおそれがあります。

ポンド/ドルが先週上昇したのは、フォーブス・MPC委員が「近い将来、BOEは利上げが必要になるだろう」と発言したことがきっかけだったのですが、それが1週間のうちに、マーケットの見方は「BOEは利下げが必要になるだろう」へ変わったようです。

ユーロ/ドルは下落基調が続き、この日は1.0521ドルまで下げて、4日連続で安値を更新。欧州のファンダメンタルズは上向いていますが、政治リスクやギリシャ債務問題の再発がそれを打ち消しています。イエレン議長の議会証言後は、1.0609ドルまで反発しました。

2017年02月15日のBID値	始値	高値	安値	終値
米ドル/円	114.239	114.952	113.851	114.188
ユーロ/円	120.848	121.279	120.707	121.025
豪ドル/円	87.530	88.138	87.499	88.051

米ドル/円　1時間チャート

ユーロ/円　1時間チャート

豪ドル/円　1時間チャート

本日（2017年02月16日）の展望

【米ドル/円】

レジスタンスは114.96円（2017年01月30日高値圏）、サポートは 113.24円（2017年02月14日安値圏）です。

	レジスタンス R1	レジスタンス R2	サポート S1	サポート S2
米ドル/円	114.96	115.63	113.24	112.84

米ドル/円　5分足チャート

【ユーロ/円】

ユーロ/円のレジスタンスは121.50円（2017年02月06日高値圏）、サポートは 119.53円（2017年02月09日安値圏）です。
ユーロ/ドルのレジスタンスは1.0668ドル（2017年02月10日高値圏）、サポートは 1.0453ドル（2017年01月11日安値圏）です。

	レジスタンス R1	レジスタンス R2	サポート S1	サポート S2
ユーロ/円	121.50	122.52	119.53	118.68

ユーロ/円　5分足チャート

【豪ドル/円】

レジスタンスは88.55円（2015年12月16日高値圏）、サポートは 87.49円（2017年02月15日安値圏）です。

	レジスタンス R1	レジスタンス R2	サポート S1	サポート S2
豪ドル/円	88.55	89.15	87.49	86.34

豪ドル/円　5分足チャート

• ※ 上記各5分足チャートは、当日 2017年02月16日 現在のものです。
• ※ コメント欄の語句について　R＝上値抵抗線　S＝下値支持線

本日（2017年02月16日）の主な指標

注目度	発表時間	指標	予想	前回
★★★	21:30	(欧) 欧州中央銀行（ECB）理事会議事要旨	-	-
★★	22:30	(米) 1月住宅着工件数(年率換算件数)	122.6万件	122.6万件
★★	22:30	(米) 1月建設許可件数(年率換算件数)	123.0万件	122.8万件
★★	22:30	前週分新規失業保険申請件数	24.5万件	23.4万件
★★	22:30	2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数	18.0	23.6

• ※ 発表時間はいずれも東京時間
• ※ 注目度は★低～★★★高で示します

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