今週の焦点は、10日の米CPIでこの楽観相場が反転するのかどうか…

 シーズナルサイクル的には、株式市場は黄金の半年間といわれる買い循環の季節に入っている。特に、近年は10月から12月までの株式市場のパフォーマンスは図抜けて良いものであった。

S&P500の月間パフォーマンス

出所:トレーダーズアルマナック(パンローリング)

過去21年間の11月の米国株式市場の動き

(11月は強気な月。S&P500種指数に基づく強気な日が7日あり、そのうちの4日は月の最初の4取引日に発生しています。歴史的に強気な月ではありますが、11月には弱点もあります。ナスダック総合指数とラッセル2000は、11月の初めと終わりに最も強い動きを見せます。ラッセル2000は、第12取引日に弱気となり、小型株のベンチマークは過去38年間(1984年以降)で10回だけ上昇しました。この日のラッセル2000の平均下落率は0.35%です。感謝祭前後の最近の弱さは、DJIAとS&P500の強さを、またナスダックとラッセル2000の強さを反映し、月初と月末に強気な日が大半を占めるように変化しています。感謝祭のトレードは、祝日の前の週に弱くなったところでロングし、感謝祭直前か直後、強気になったところで抜けるのがベスト)
出所:トレーダーズアルマナック(パンローリング)

 この最近の弱気市場の反発は、良好な季節性、典型的な中間選挙のブーストへの期待、およびFRB(米連邦準備制度理事会)のピボットのうわさに基づいている。市場はFRBピボット期待で買い!シーズナルサイクルで買い!中間選挙で買い!リストラは買い!CPI(消費者物価指数)も買いという楽観に包まれている。

S&P500とパウエル・ピボット期待相場

出所:ゼロヘッジ

 弱気相場には三つの段階があるというが、過去の弱気相場のパターンからはフェイズ2の中間反騰があってもおかしくはない時間帯である。

弱気相場の三つの段階

出所:リアルインベストメントアドバイス

 今週の焦点は、10日の米CPIでこの楽観相場が反転するのかどうかだ。ここまでの米国株の軌道は、2008年のアナログチャート通りである。問題はここから先である。CPI後も相場が下がらないようならば、相場はもはやこの下げの軌道上にはないと考えるべきであろう。

2008年と今年のS&P500のアナログチャート

出所:ゼロヘッジ