▼著者
杉浦美結
ブルクアセット
大学卒業後、証券会社で500人以上のお客様へ資産コンサルティングを経験するも結婚を機に退社、専業主婦へ。前職の経験を生かした家計簿のブログを立ち上げ、1万PV達成。もっと身近な相談相手でありたい思いから現在静岡県浜松市を中心にIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)兼FPとして活動中。自分で実践して得たことをお客様にお伝えする実践型のFP。
去年は近年まれにみる厳冬でしたね。今年の冬は暖かくあってほしいものですが、どうなるでしょうか。電気料金に焦点を当てると、高くてびっくりされた方も多いはず。
しかし、今年はもっと高くなると知っていましたか?仮に去年と同じ使用料だったとした場合、なんと今年は33%も料金が値上がりしているのです!
そもそも電気代はどのように決まっているのでしょうか。今日は電気料金の決まり方・そして対策について解説します。
電気料金の仕組みとは?
地域によって主に電力を供給する会社によって細かい違いはあるものの、電力という公益性の高いものの事業であるため、各社の仕組みは似通っています。
本日は筆者が実際に使用している中部電力を例に説明したいと思います。
まず初めに、電気代の計算式を見てみましょう。
電気代の計算式
1.基本料金+(2.電力量料金単価±3.燃料調整単価)×使用量+4.再生可能エネルギー発電促進賦課金
一つずつ見ていきます。
1.基本料金
電力使用量に関係なく必ずかかる金額。契約コースによって異なります。
2.電力量単価
1kWhあたりの値段のこと。単価自体は契約コースによってさまざまです。
オール電化でよく利用されるスマートライフプランでは時間帯によって電気料金が変わりますし、従量電灯Bという方であれば、使用料が増えれば増えるほど1kWh当たりの単価が上昇する仕組みになっています。
3.燃料調整単価
電気をつくるために必要な燃料(原油・LNG(液化天然ガス)・石炭)の価格を電気代に反映させるために毎月変わる費用のこと。
4.再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギーを普及させるためにかかっているお金。
2012年8月より始動しており、当初は1kWhあたり22銭程度でしたが、足元では3円45銭と実に15倍にまでなっています。(平均電力使用量である260kWh/月使用していた場合、月897円もの負担があるということです。)
ではこの中で、どれが値上がりの原因なのでしょうか。
ズバリ答えは3.燃料調整単価です。今年、ガソリン値段の高騰継続を目にされている方もいらっしゃるとは思いますが、電気代の高騰も同じような形で起こっています。
2021年10月と2022年10月を比べると、燃料調整単価▲3.38円だったものが+5.36円となっています。実に8.74円の差です。
仮に平均電力使用量である260kWh/月使用していた場合、2,272円/月 値上がりしていることとなります。
原油・LNG・石炭それぞれの3カ月の貿易統計価格(実績)によって毎度計算されているため、同じ使用料でもこのようにたった1年間で大きな差が出てくることになります。
現在原油自体の上昇はいったん歯止めがかかった感がありますが、それでも燃料費高騰が収まらないのは円安の影響も多くあります。
日本はエネルギー創出のための原料のほとんどを海外から輸入しているため、円安だと支払う対価が増えてしまうのですね。