今日の為替ウォーキング

今日の一言

資産形成に影響するのは、才能よりも幸運だったことが証明される

I've Never Been To Me

 10月のマーケットでは様々な材料が登場しているが、どのように計算しても答えは「ドル高」になる。

 欧州では、本格的な冬が近づきエネルギー不足が深刻化するなかで景気後退不安がPMIの弱い数字に反映されている。ウクライナ戦争でロシアは、核や生物化学兵器を使用する可能性が高まっている。

 英国の格付け見通しは、ネガティブに引き下げられた。その大きな理由が「政治不安」。格下げは珍しくないが、政情不安での格下げは先進国としては異例のことだ。

 トラス首相はMMT(現代貨幣理論)と共に辞任に追い込まれ、後任にスナク元財務相が就任することが決定した。大規模減税策を撤回したハント財務相が再任される方向で、マーケットは好意的に受け止めている。今回立候補を断念したジョンソン氏はいまだ保守党内の最大派閥であり、首相辞任の一因となったスナク新首相との関係は良好とはいえない。英国の政治安定はまだ先になりそうだ。

 中国は、ゼロコロナ政策を今後しばらく継続する方針だ。中国の経済成長は目標を達成できないことが明らかになるなかで、新しい党最高指導部に経済の専門家がいないことに失望の声もきかれる。

 OPEC+(石油輸出国機構プラス)は米国の意向に逆らい大幅減産を断行、世界的インフレと地政学リスクを悪化させている。世界経済の1/3が、今年から来年にかけて景気後退に陥るとIMF(国際通貨基金)は予測する。景気不安は社会不安につながる。今年の世界各地での暴動はすでに昨年の2倍以上に増えている。

 米国の経済は堅調だ。9月雇用統計は堅調なペースを維持し、CPI(消費者物価指数)は市場予想を上回った。FRB(米連邦準備制度理事会)の不断の努力にもかかわらず、雇用市場の過熱は続き、インフレ率は高止まりしている。

 金利の低い国からお金を借りて金利の高い国に預ける。弱い国の通貨を売って強い国の通貨を買う。これは合理的な取引である。ドルは唯一無二のセーブヘブン通貨だ。

 

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成