優待投資で失敗しないための6つのポイント

 優待投資も株式投資である以上、優待内容だけしか見ず、株価や業績をまったく見ずに投資するのは、問題があります。

 優待投資を満喫するためにも、優待投資の魅力とリスクについて、これだけは知っておいてほしい6つのポイントを解説します。

【1】効率的に優待を獲得するには、最小投資金額で多数の銘柄に分散投資するのが有利。
【2】優待券はぜひ使いたい、使いやすいものから選ぶ。有効期限(通常は1年)のある優待券は期限切れにしないよう注意。使うあてのない優待券は売却できることもある。
【3】配当利回りも考えて、総合的に有利なものを選ぶ。
【4】権利取り直前に株価が大きく上昇しているものは投資を避ける。
【5】業績不振銘柄や、不祥事を起こしている銘柄は避ける。
【6】株主平等の原則に反すると見なされる優待は廃止される可能性がある。

 それでは、以下で一つずつ詳しく説明します。

【1】効率的に優待を獲得するには、最小投資金額で多数の銘柄に分散投資するのが有利

 すでに解説したとおり、株主優待制度は、小口投資家を優遇する内容となっています。したがって、効率よく、いろいろな優待を取得するためには、最小売買単位(100株)で多数の銘柄に分散投資するのが、有利です。

【2】優待券はぜひ使いたい、使いやすいものから選ぶ

 優待券には、有効期限(通常は1年)がついているものもあります。期限切れしないように注意が必要です。「ぜひ使いたい」ものから選ばないと、使わないまま、期限切れにしてしまうことがあります。「ぜひ使いたい」ものを選びましょう。

 食品の詰め合わせを贈る優待は、優待品を無駄にしてしまうリスクが低いですが、有効期間1年の割引券や金券を贈る場合は、期限切れにつながりやすいと言えます。

「ぜひ使いたい」割引券でも、「使いにくい」と期限切れにしてしまうリスクが高まります。人気の優待券に、外食業の「食事券」があります。有効期限(通常は1年)があるのが普通ですから、使わずに失効してしまえば、メリットを得られません。さらに、近くに店がないと、いつか行こうと思っているうちに失効してしまうことがあります。

 人気の株主優待券ですと、ネット上、あるいはチケットショップで売却できる場合もありますが、かなり割引されます。500円の食事券が400円で売れれば、良い方です。500円の食事券が300円、あるいは、250円でしか売れないこともあります。あまり人気のない優待券だと、買い取りするチケットショップがないこともあります。

 株主優待割引券(例えば1回の買い物が1割引きになる券)には、売ることができないものが多く、その場合は、自分で使う以外にメリットを得られません。

 航空会社(JAL:日本航空/9201 や、ANA HLDG/9202)の株主優待割引券は、コロナ前の旅行ブームの時は好人気でした。今、コロナ禍で需要が落ちています。もし自分で使わない場合は、ネットで売却できます。ただし、売却金額は、自分で使う場合に得られるメリット額より小さくなることがほとんどです。

 航空優待券は、その時々の需給によって価格が変動します。供給が増えるとき(優待券が株主に贈られるとき)に下がり、旅行需要が増えるときに上がる傾向があります。

 ネットで「株主優待券 売却」と検索すれば、さまざまなチケットショップが出している買い値を見ることができます。近所にチケットショップがあれば、直接行って、売り値や買い値を問い合わせることもできます。

 人気の株主優待割引券でも、有効期限までの期間が短いと、売れないことがあります。使うあてがない場合は、早めに売却した方がいいと思います。