※この記事は2022年8月26日に掲載されたものです。
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株主優待にまつわる情報を、ほぼ毎日配信している、チャンネル登録者数4万人超えの投資系YouTube「株主優待ライダー・株主優待チャンネル」のカブ主優待ライダーさん、インタビューの後編をお届けします。今回は9月権利確定銘柄を中心に、注目銘柄についてお聞きしました。
優待ファンなら誰もが知る鉄板銘柄
──ここからは株主優待ライダーさんが注目する銘柄についてお伺いしたいと思います。初心者が安心して保有できるという視点で、いくつか挙げていただけますか。
カブ主優待ライダー まずはやはり、優待ファンなら誰もが保有しているような、鉄板銘柄というか、人気銘柄を検討してみるといいと思います。
──具体的にはどのあたりですか。
カブ主優待ライダー 株価を見てみると、ビックカメラやクリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)などは1,000円前後なので、購入しやすいかもしれません。
──ライダーさんが、最近、買った銘柄を教えてもらえますか。
カブ主優待ライダー 少し前だと、雪国まいたけ(1375)を買いました。ツイッターを見ていたら、株主優待できのこをもらったとつぶやいている人がいて、きのこ、いいなあと思って、雪国まいたけに目をつけました(笑)。
──株価はどうなんですか。
カブ主優待ライダー 少し前は2,000円前後でしたが、今は1,000円前後に下がっています。それも魅力でした。
──優待品はまいたけなんですよね(笑)。
カブ主優待ライダー きのこの詰め合わせです。100株保有で、3,000円相当の詰め合わせをもらえるので、大満足だと思いますよ。
──ほかには?
カブ主優待ライダー これは買い戻しになるのですが、タマホーム(1419)を買いました。テレビ東京の早朝の番組に『シナぷしゅ』という幼児向け番組があるんですが、うちは小さい子供がいるので、出勤前にいっしょによく見ています。この番組のスポンサーがタマホームなんです。
番組自体、幼児向け番組なのによく考えて作り込まれている良質な番組で、こういう番組のメインスポンサーになるんだから、いい会社なんだろうと思いました。
こんなふうに、損得だけでなく、「この会社、応援したいな」と思って買うこともあります。
──優待品は何なんですか?
カブ主優待ライダー 100株保有で年2回、QUOカード500円分がもらえます。しかも、コマーシャルに出ているタレントのオリジナルQUOカードなので、到着するとワクワクしますよ(笑)。
9月権利確定銘柄ならコレ
──株主優待の恩恵を受けるには買うタイミングが大事です。いわゆる「権利付最終日」に保有していないと、優待品をもらう権利を得られません。そこで、9月末までに買えば権利を得られる銘柄の中から、いくつか挙げていただきたいのですが。
カブ主優待ライダー 9月に権利が確定する銘柄はかなり多いので、ちょっと迷いますが、まずはトリドールホールディングス(3397)を挙げておきます。セルフうどん店の丸亀製麺や居酒屋チェーンを経営する会社で、株価は3,000円前後と少し高めですが、100株保有で年間6,000円分の食事券がもらえるんです。
また、200株保有していて、1年以上継続保有した場合、6,000円になります。さらに1回につき3,000円分プラスされます。丸亀製麺は全国に展開していますから、誰がもらってもうれしいと思います。
二つ目は、ヤマダホールディングス(9831)です。100株保有だと系列店舗で使える商品券が年間1,500円分もらえます。この銘柄は1株500円前後で、とにかく株価が安いんです。だから、5万円程度で株主になれます。投資初心者にはもってこいの銘柄だと思います。
──もう何銘柄か挙げていただけますか。
カブ主優待ライダー トリドールやヤマダHDほど有名ではないけれど、僕が気に入っている銘柄をいくつか挙げておきます。まずは保険代理店大手のアドバンスクリエイト(8798)。ここはカタログギフトがもらえます。
次はエネルギー関連事業を手掛けるTOKAIホールディングス(3167)。ここはAからEの五つのコースから一つ選べるという、ユニークな優待になっています。
このほか、携帯電話の販売などを手掛けるティーガイア(3738)、専門商社のGSIクレオス(8101)、家庭用LPガス容器の大手、中国工業(5974)、進学塾の早稲田アカデミー(4718)なども面白いと思います。
──株価も高くないんですか?
カブ主優待ライダー いずれも1株数百円から1,000円台なので、買いやすいと思います。
今後、株主優待はどうなる?
──前に少し触れたように、東証の再編などを背景に株主優待制度を廃止する企業が増えています。優待ファンから絶大な人気を集めていたオリックス(8591)やJT(日本たばこ産業:2914)が廃止を発表したのは大きな話題になりました。そこで、聞きたいのですが、今後、株主優待制度はどうなっていくのでしょう。やっぱり衰退していくのでしょうか。
カブ主優待ライダー 僕自身はあまり悲観していません。たしかに、株主の平等性を重視して配当にシフトする企業も増えて、徐々に縮小していく傾向はあるかもしれません。「えっ、この会社がやめてしまうの?」とショックを受けることもよくあります。しかし、日本の株式市場から、優待銘柄が全て姿を消すということはないと思います。
──そう考える根拠は?
カブ主優待ライダー 企業が株主優待制度を導入する理由の一つは、個人投資家を増やすためです。優待を導入すると、それまで関心を示さなかった人たちが買ってくれて、株主が増えます。上場を維持するには一定の株主が必要ですから、企業にとっては大事なことなのです。ただし、この場合、ある程度、株主が集まったら、廃止するところもあります。
──たしかにそうですね。
カブ主優待ライダー でも、株主優待にはもう一つ大きな目的があるんです。消費者に会社や商品のことを知ってもらうということです。自社商品なら、使ったり食べたりしてもらい、今まで利用してもらったことがないお客さまとのファーストコンタクトにする。
商品券や飲食券、割引券なら、近隣の店舗に足を運んでもらって、食べてもらって、お店のリピーターになってもらう役割を果たしています。
──つまり、集客や販売促進のツールという役割も果たしている?
カブ主優待ライダー はい、とくに小売りチェーンや飲食チェーンなどの場合は、重要な役割を果たしています。だから、これまで株主優待を導入していた企業が一斉に廃止するということは考えにくい。
──むしろ新たに導入する企業も出てくる?
カブ主優待ライダー はい、僕はそう思います。
──おそらく読者の中には、この先、優待はどうなってしまうのだろうと不安に思っている人も少なくないと思うんです。ですので、ライダーさんから力強い言葉が聞けて、よかったです。では、今日はありがとうございました。
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