※この記事は2022年8月26日に掲載されたものです。

 今回は、株主優待投資に関する、さまざまな情報を配信している、投資系YouTube株主優待ライダー・株主優待チャンネル」のカブ主優待ライダーさん。チャンネル登録者数4万人を突破し、さまざまなテーマで「優待投資」のヒントを提供しています。

 投資歴は10年以上、優待&長期分散投資にこだわる理由は? サラリーマンとして勤務しながらYouTuberとして成功するコツは? さまざまな質問をぶつけてみました。

カブ主優待ライダーさんPROFILE

 岡山県在住、40代の兼業投資家。投資歴=優待歴10年。人気YouTube「株主優待ライダー・株主優待チャンネル」は現在チャンネル登録者数4万人超え。スーパーカブをこよなく愛し、多少遠方でも愛車で出かけるライダー。
YouTube:カブ主優待ライダー
Twitter:カブ主優待ライダー (@kabunushi_rider)

>>中編「投資初心者におススメ、優待銘柄の選び方
>>後編「初めての優待株、どんな銘柄を狙うべき?

兼業投資家でYouTuber、いつ動画を撮ってるの!?

──YouTube動画、拝見しました。2年前、最初に配信された動画なども見させていただきました。初々しいですね(笑)。なぜ「カブ主優待ライダー」というハンドルネームにしたか、などという話をされてましたよね。

カブ主優待ライダーさん(以下敬称略) はい、ホンダのオートバイ、スーパーカブが大好きで、株主優待の「株」とスーパーカブの「カブ」をかけた…とか、そのあたりの話をしたと思います。照れますね(笑)。

──その動画の視聴数は380回でした。それが今や、登録者4万3,800人(2022年8月18日時点)を誇る人気チャンネルになっています。始めた頃は、これだけ多くの人に見てもらえるようになると思っていましたか。

カブ主優待ライダー いえ、まったく想像できなかったですね。ほんとにありがたいなと思います。

──優待がテーマで投資初心者にも分かりやすい、配信頻度がとても高い、など、人気の理由は想像できるんですが、ライダーさんは今も会社勤めを続けているんですよね? 仕事しながら、投資をして、育児にも積極的に参加して、さらにYouTuberとして…。毎日のように動画配信するのは大変だと思います。いつ動画を撮って編集しているんですか? 

カブ主優待ライダー 会社から帰ったら動画を撮って編集するのが日課になっているんです。僕の動画は15~20分程度の内容が中心で、1日にかける時間はだいたい2~3時間ぐらいですね。

──仕事が終わって疲れて帰ってきて、さらに…というのは、しんどくないですか。

カブ主優待ライダー それはあまり感じません。たくさんの人に見ていただけると思うと、むしろもっと頑張ろうと思います。

優待歴=投資歴。優待&長期分散にこだわる理由

──ライダーさんは10年ほど前、株式投資を始めたそうですが、きっかけはなんですか?

カブ主優待ライダー すでに投資を始めていた、会社の同僚から教えてもらったのがきっかけです。僕は岡山県在住なのですが、地元に紳士服販売のはるやまHLDG(現:はるやまホールディングス/7416)という会社があり、教えてくれた同僚は、はるやまの株を持っていました。

 はるやまは株主優待制度を導入していて、株主になるとネクタイかワイシャツの引換券をもらえる、と聞いて「へえ、いいな」と思って興味を持ちました。普段からよくいく店で、いいお店だなと好感を持っていて、親しみがあったのも理由の一つです。

──すぐに購入したんですか?

カブ主優待ライダー 当時は100株保有で1万円相当の商品と交換できる引換券をもらえたんです。今は6,000円相当の引換券と割引券に変わっていますが。僕たち会社員にとってネクタイやワイシャツはいくらあってもいいと思って、あまり迷わずに購入しました。

──最初から株主優待銘柄を購入されたわけですね。

カブ主優待ライダー はい。はるやまHLDG(7416)を買ったときに、いっしょに、吉野家(9861)ビックカメラ(3048)イオン(8267)などの優待銘柄をいくつか買いました。 

──最初から優待投資の魅力にハマったというわけですね。

カブ主優待ライダー はい。ただ、最近は株主優待がなくても、配当金目当てで買うことがあります。優待銘柄がものをもらえるメリットがあるのに対して、配当金がある銘柄は配当として現金をもらえるわけで、年に1度か2度、特典を得られるという点では変わりません。

──株主優待と配当金、両方ある銘柄も多いですしね。

カブ主優待ライダー そういう銘柄も保有しています。

──ちなみに株主優待も配当金もない銘柄は見向きもしないんですか?

カブ主優待ライダー はい。一度も買ったことがないですね(笑)。

──つまり、株価の上昇による利益を狙って購入することはないんですね。

カブ主優待ライダー その通りです。キャピタルゲイン狙いか、インカムゲイン狙いかと聞かれたら、僕は完全に後者です。

 実は僕は、そもそも株でもうけようという考えがあまりないんですよ。もちろんまったくないといったらウソになるし、もうかったらもうかったでうれしいですよ。でも、それを目的に株をやっているわけではないというか…。

──では、投資の目的は?

カブ主優待ライダー ズバリ、人生を楽しむためです。いくらお金をもっていても、人生が楽しくないとダメ、というのが私の投資のモットーなので。

──なるほど。だから株主優待銘柄にこだわるんですね?

カブ主優待ライダー はい、株主優待銘柄、あと配当金のある銘柄もそうですけど、1年に1度か2度、お楽しみがあるわけじゃないですか。値上がり益を狙って買う場合は、株価が上がってくれればうれしいけど、そうではない場合は失望しか残りません。その点、株主優待銘柄は、株価がどう推移しようと、必ずワクワク感やドキドキ感が得られますよね。

──動画を拝見していると、ものすごい銘柄数をお持ちのようです。毎月のように優待品が家に届くと思うのですが、それでも毎回うれしいものですか? もうだいたい中身が何かは分かっている状態ではないかと思いますが…。

 定期的に「届いた銘柄自慢」をアップ。ワクワクしながらひと箱ひと箱開けていく。声の調子が普段よりテンション高く、楽しそう(笑)「最近届いた株主優待全18銘柄紹介(3月権利中心、vol3)

カブ主優待ライダー もちろんうれしいです! 10年前、株主優待を始めたときは独身だったのですが、その頃は、1人暮らしのわびしさを埋めてくれるというか(笑)、そういうよさがありました。今は結婚しているので、家族が喜んでくれるというよさがあります。

 食事券が届いたら家族で食べにいく、商品券が届いたら何を買おうとみんなで相談する。そういうことが楽しいんです。それが株主優待の醍醐味(だいごみ)だと思います。

──今はインデックスファンドの積み立てを行う人が多いですけど、インデックス投資だとそういう楽しみはないですからね。

カブ主優待ライダー インデックス投資の場合も、景気がよくなったりして評価額が上がればうれしいと思います。でも、そこで解約して何か買ったり、旅行に行ったりする人は滅多にいませんよね。ほとんどの人は評価額がどうなろうと、ずっと持ち続けます。そういう意味でリターンを実感しにくいと思います。

──優待一本で、米国株やインデックス投資はされていないんですか?

カブ主優待ライダー 投資系YouTuberとしてはいろいろ試しておきたいので、いずれ始めるかもしれませんが、今はやっていません。インデックスにはインデックスのよさ、米国株には米国株のおもしろさがあると思いますが、僕には株主優待投資のほうが性に合っています。

株価が下落しても売らなければソンはしない

──ライダーさんが株主優待生活を楽しんでいるのがよくわかりましたが、一つ、気になることがあります。たしかに優待品をもらえるのはうれしいですが、その銘柄の株価が下がることもあるわけじゃないですか。とすると優待品をもらったけど、トータルではマイナスということもあるのでは?

カブ主優待ライダー もちろんです。ただ、それについてはあまり考えないようにしています。

──トータルでマイナスになっても平気なんですか? 普通は売買タイミングを検討したりするのでは?

カブ主優待ライダー いえ、もちろん気にはなりますよ。お金もうけだけが目的ではないとはいえ、トータルでプラスにならなければ投資をする意味がありません。じゃあ、なぜ株価は気にしないかというと、上がっても下がっても、すぐには売却するつもりがないからです。株価が下落しただけではソンはしません。株価が下落したときに売ってしまうからソンをするんです。

──株価が下落しても一喜一憂しないということですね。

カブ主優待ライダー はい、売らずに持っていると上昇に向かうということが多いですし。

──どこまでも下がり続けるということは少ないですか?

カブ主優待ライダー いえ、なくはないと思いますよ。ただ、そういう会社は株主優待なんてやっていられないですからね。会社が危機的状況におちいる前に株主優待制度を廃止するのが普通です。

──株主優待を続けている限りは、多少、株価が下がってもあまり心配しないんですね。

カブ主優待ライダー はい、それに僕は、ほとんどの銘柄は最低単元、100株からしか購入しません。いいなと思ったり、買いタイミングだなと思ったら買い増しをするけれど、基本は最低単元で買って、最初からドカンと大量買いはしないんです。

 しかも、いったん買ったら相当なことがない限り売りません。だから、どれか一つの株価が大幅に下落しても、大打撃になることはないんです。

──なるほど。ほかにトータルプラスを維持するために心がけていることはありますか。

カブ主優待ライダー 一つはやっぱり株価が割安なときに買うことでしょうね。その銘柄本来の実力より安いときに買えば、その後、上がる可能性が高い。それともちろん、その会社の業績は良好か、財務状況は健全かなども確認します。ただ、僕の場合、キャピタルゲイン狙いではないので、それらはひと通りチェックする程度です。

自称「落ちるナイフ好き」のカブ主優待ライダーさん。割安銘柄を分析する回はファンの間でも好評で、再生回数も急上昇するという。「ナイフ掴みに、いざ戦場へ(※三井住友FG提携前情報)

──では、次回は銘柄選びについてもう少し詳しくお聞きしたいと思います。

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