今日の為替ウォーキング
今日の一言
トレードの失敗から逃げてはダメ。大事なのは、失敗は当然として、いかに最小にとどめるか
Blue Hawaii
2020年に発生した新型コロナの感染大流行がから2年、初めての「自由に移動できる夏」になった今年は、欧米では夏のバカンスが大いに盛り上がっている。
これほどインフレになっていても旅行を控えようという考えは欧米人にはないらしく、自宅で静かに過ごす快適さを捨ててまで、空港で何時間も行列に並び、満席の飛行機に乗り、満室のリゾートホテルですし詰め状態のプールに入りたいのだ。それだけ新型コロナによる移動制限のフラストレーションがたまっていたのだろう。
もっとも、日本でも、お盆の旅行や帰省を計画する人が目立っていた。読売新聞によると、夏休みに使う1人あたりの平均支出額は、前年の1.3倍となる69,000円で、4年ぶりの増加となったそうだ。
日本人にとって夏の海外旅行といえば、やっぱりハワイ。世界中に数多くのリゾート地があるなかで、誰もが一度は行きたいところとしてハワイを掲げるのは、それだけの理由があるのだ。
とはいえ、今年の夏にハワイに行こうとするなら、日本ハワイ間の燃料サーチャージの値上りで、運賃とは別に一人往復62,500円かかり、さらに帰国時には新型コロナの陰性証明書に37,500円。燃料サーチャージと証明書だけで一人約10万円の追加出費。家族5人でハワイに行こうと思えば、旅行代や買い物代とは別に約50万円かかる計算になる。夏休みに使う支出を増やした分は、燃料費で消えていくわけだ。(政府は、日本への入国や帰国時に求めている72時間以内の新型コロナ検査を免除する方向で検討に入った)
なぜ、これほどかかるのかというと、円安だからだ。海外でお金を使うくらいなら国内にしなさいという政策ともいえる。もっとも、インフレで実質賃金が去年より1.8%も下がっては、自宅にいて、できるだけエアコンは使わず、かといって熱中症にならないようにして、さらにコロナに罹らないようにひっそりと夏をやり過ごすしかないようだ。
円安は、アメリカ人にしてみると、24年ぶりのドル高。ドル高のメリットを享受しようとフランスのパリなど欧州への旅行が増えている。日本でも、6月10日から約2年ぶりに外国人観光客の受け入れが再開されたが、添乗員付きツアーのみで、フリー旅行は禁止。さらに旅行の間はマスクの着用など感染対策の徹底が求められる。会社を徘徊する浅黒い顔のマスク警察みたいなのに監視されていては旅行を楽しむこともできないと敬遠する外国人が多いらしい。せっかくの円安を生かせないのはもったいないと思うが、コロナ感染者がこれだけ増えているなかではしかたないのだろう。
さて、高額バカンスで思う存分お金を使った夏が過ぎ、9月がやってくると楽しかった夏休みから戻り9月になると、すっかり減った銀行残高とクレジットカード請求書の山に驚くことになる。現実に戻った消費者は財布のヒモを堅く締め、支出は急激に縮小することになります。
3カ月後にやって来るクリスマス休暇を楽しもうとするなら・取る計画を立てようするなら、なおさらのこと9月から11月は倹約生活を心がけることになる。秋の経済は、不況を思わせるような需要減になってもおかしくはありません。
夏のバカンス・ブーム盛況の反動が、秋の急激な消費縮小としてやってくる。