「青木率」で占う参議院選挙は与党勝利?

 参議院の総定数は現在245議席となっています(図表2)。参議院議員の任期は6年で、3年ごとに議員の半数が改選されます。今回は比例代表選出議員50人、選挙区選出議員74人に欠員補充を加えた計125人が改選されることになります。そこで、「青木率」から今回の選挙結果を占ってみたいと思います。

 青木率とは、自民党参議院議員会長を務めた青木幹雄氏が考えたとされる法則(別名:青木の法則)で、世論調査の「内閣支持率」と「自民党支持率」の合計を言います。この数字に総議席数を掛け合わせた数が、国政選挙での「自民党の予想獲得議席数」として試算されてきました。

 NHKが最近(6月24〜26日)実施した世論調査によると、内閣支持率は50%、自民党支持率は35.6%となっています。青木率は、85.6%(50%+35.6%)と計算され、これだけで予想すると自民党の勝利が見込まれます。

 図表2で示すとおり、今回の参議院選挙は「令和4年7月25日任期満了」の改選議席のみを対象としており、現有議席の会派別勢力では、総定数(245議席)のうち自民党(自由民主党・国民の声)が109議席、公明党が28議席を有し、連立与党合計では137議席と総定数の約6割を占めています。

 今週末の参議院選挙の結果、自民党会派が少なくとも現有議席(55席)以上を獲得し、連立与党(自民党+公明党)合計が現有勢力以上を維持できれば、日本維新の会や国民民主党など保守系野党と連携して、岸田文雄政権は安定した国会運営を実施していくことが可能となりそうです。

 特に海外(外国人)投資家は、日本の政治的な安定性を重要視するとされており、実際の選挙結果を注視したいと思います。

<図表2>参議院の党派別議席数をチェックする

*( )内は女性議員数、(出所)参議院による集計(HP)にもとづき楽天証券経済研究所作成