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6月22日に『参議院選挙』が公示され、7月10日の投開票に向けて熱戦が繰り広げられています。今回の『参議院選挙』は、昨年10月に岸田文雄首相が就任して以来、事実上初めての政権評価となる選挙です。ウクライナ情勢や世界的な利上げによる景気減速懸念などにより、株価は軟調な展開となっていますが、今後はどのように見通せるのか、近年の『参議院選挙』後の株価動向を振り返りながら考えてみます。
【ポイント1】内閣支持率はじわじわと低下…今回の『参議院選挙』の争点は?
NHK集計の内閣支持率を見ると、岸田政権では内閣発足翌月の2021年11月以降は、支持率50%超を維持していました。しかし、足元ではじわじわと低下し、50%(6月27日時点)まで低下してきています。
ウクライナ情勢の緊迫化や、それに伴って上昇した資源や食料品価格の上昇が円安によって増幅されていることなどが、足元で景気回復の重しとなっています。こうしたことから、今回の『参議院選挙』では、「円安」や「物価高」、「ウクライナ情勢を受けた安全保障政策」などが主な争点となっています。
【ポイント2】『参議院選挙』後の株価の動向は?
右図は、近年の『参議院選挙』後の日経平均株価の推移です。2010年は民主党・菅政権、それ以外の3回は自民党・安倍政権の下で行われた選挙でした。これらの選挙の結果は、2019年以外は政権与党が議席数を増やしました。
半年後の株価を見てみると、全てが上昇しました。ただ、株式市場が上昇した要因は都度異なっており、『参議院選挙』の結果を受けたとは言い難いようです。例えば、2016年は前年のチャイナ・ショックや年初の原油価格急落などによる下落からの回復が主因です。また、2019年は与党が議席数を減らしたものの、株価は上昇しました。
【今後の展開】株価は上向くのか?国内外それぞれの要因に注目
今回の『参議院選挙』の争点となっている「円安」や「物価高」は、急ピッチで利上げを実施する主要国と大規模な金融緩和を継続する日本との間で拡大する金利差や、長期化しつつあるウクライナ情勢などが背景にあります。ただし、主要国の利上げによる金利差の拡大はある程度織り込まれてきていることや、年後半にかけて金融引き締めの先行きにめどが立つ中で主要国の景気が過度に失速しなければ、為替や株式市場にも落ち着きが戻ってくると期待されます。一方国内では、岸田政権の経済対策の第2弾も見込まれており、コロナ禍からの経済活動の再開が進むことなどと合わせて、株式市場を下支えすると見られます。