ずるずる下げる小型株は、どんな事情があろうと、いったん「売り」

 ここから得られる教訓ですが、どんな事情があろうと、急落する小型株はいったん売り、頭を冷やしてから考え直すということです。企業内容をきちんと調べることが重要であるのは言うまでもありませんが、それでも、企業の未来を正確に予想することはできません。リスク管理の重要性を再認識しました。

 ゴルフで良いスコアを出すためには、いかに遠くまで飛ばすか考えるより、いかにOB(コース外に出る失敗打)を少なくするかを考える方が大切です。麻雀で堅実に勝つには、大きな手で上がることを狙うより、振り込まないことが大切です。野球で堅実に勝つには、エラーや四死球を少なくすることが大切です。

 同じように、株式投資で堅実に資産を増やすには、いかに急騰銘柄を見つけるかより、いかに暴落する銘柄をつかまないようにするかが、大切です。投資で百発百中はありません。いろいろな銘柄に投資していれば、いつか暴落する銘柄に行き当たるものです。そうした時、いかにすばやく損切りを決断できるかが、長期的なパフォーマンス改善に大きな影響を及ぼします。

これだけは絶対やってはいけない!急落銘柄の買い増し

 昭文社の投資損失が大きくなった最大の要因は、株価が下がる過程で、同社株を買い増ししたことにあります。いわゆる、ナンピン買いと言われる、損失拡大を加速させる可能性の高い投資方法です。

 ただ、眺めているだけでなく、損切りが大切なのは言うまでもありません。ただし、もし損切りできなくても、保有株をそのままにしているならば、まだましです。最悪なのは、ナンピン買いで、問題株の保有を増やしてしまうことです。それだけはやってはいけない教訓として、肝に銘じています。