円安が保有資産にどんな影響をあたえているのか?

 資産運用で海外投資があたりまえになっている昨今では、円安になればそれだけ投資した資産が増える人が多いでしょう。海外投資といってもその中心は米国が対象となっており、為替でいえば米ドルです。もちろん分散投資をしていれば、ユーロ、豪ドルの他、新興国通貨への投資をしている人もいます。

 私たちの生活を考えると円安は一概に良いとはいえませんが、海外資産に投資しているという点で考えると資産が増えるというわかりやすいメリットがあります。

 米ドルで考えると、今年3月からの急激な円安の背景には「米国の利上げ開始」「資源価格などの高騰による日本の貿易収支の悪化」「日本銀行の指し値オペによる日本の金利抑制」が考えられます。

 今後も為替が円安になるのか、現状の水準が続くのか、円高方向に動くのかは相場次第ではありますが、為替の急激な変動は個人投資家にとってどのような判断が求められるのか、今回は世界の主要通貨である米ドルでお伝えしたいと思います。

米ドルが円安時に注意しておきたい投資信託のポイントとは?

 米ドルが円安に動いても全ての人に利益(為替益)があるわけではありません。当たり前ですが、米ドルに投資している必要があります。単純に通貨で米ドルを保有しているだけならわかりやすいですが、株式や債券などを保有していれば為替だけでなく投資資産(この場合は株式や債券)も価格変動の影響を受けます。

 ただし、為替の影響という面で考えれば、保有株式や債券の値動きはいったん置いておいて(投資信託などで分散投資をしている場合や複数商品を保有しているなら、月次レポートなどもみながら)、投資資産全体の通貨別でみた米ドルの比率を把握しておけば良いでしょう。

 端的にいえば、米ドルが1円動くことによって自分の資産がどのように上下動するのか、配当や利息はどうなるのかを知っておくことが重要です。その上で、投資信託を利用した場合の、投資判断として知っていただきたいポイントの例をお伝えします。