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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
荒れ馬を乗りこなす「積み立て投資術」ドルコスト平均法が効く

 今日は「米国株や日本株に積み立て投資を始めたものの不安」という読者の声があることに対して、私の考え方をお伝えします。これから投資を始める初心者の方に、ぜひ知っておいていただきたいことです。

荒れる日経平均、S&P500より値動き荒い

 日本株・米国株とも昨年10月以降、大きく下落しました。日経平均株価あるいはS&P500(米国を代表する株価指数)に連動するインデックスファンドやETF(上場投資信託)に積み立て投資をしている方には、落ち着かない日々が続いていると思います。

 私は、米国株は成長株として、日本株は割安株として投資価値が高く、米国株・日本株とも積み立てを続けていくことが中長期の資産形成に寄与すると考えています。

 以下、アベノミクスがスタートした2013年以降のS&P500と日経平均の値動きを比較したグラフをご覧ください。

日経平均とS&P500の値動き比較:2012年末~2022年4月18日(S&P500は4月15日まで)

出所:2012年末の値を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 アベノミクスが始まった2013年を起点として日経平均とS&P500を比較しました。それぞれ約260%・300%上昇しており、良好なパフォーマンスといえます。ただし、一本調子に上昇してきたわけではありません。何回も急落・急騰を繰り返しながら、上昇してきました。2015年後半・2018年後半・2020年初めには大きな下落を経験しています。

 日経平均もS&P500も、乱高下しながら最終的には、企業業績の拡大、1株当たり利益の増加を反映して上昇してきました。このトレンドは、今後も続くと考えています。日経平均・S&P500とも、自社株買いと業績拡大によって、これからも継続的に1株当たり利益を伸ばしていくと予想しています。コツコツと積み立てを続けていくことが、中長期の資産形成に寄与すると判断しています。

 両方とも荒れる資産ですが、細かくみると、日経平均の方がS&P500よりも急落急騰のふれ幅が大きいことが分かります。外国人投資家が、世界景気敏感株として日経平均先物の売り買いを繰り返すことが、日経平均の荒い値動きにつながっています。日経平均の急落局面にフォーカスした、以下のグラフをご覧ください。何度も急落を繰り返しながら、上昇していくのが日経平均となっています。積み立て投資に最適な投資対象と思います。

日経平均の動き:2012年末~2022年4月18日

出所:2012年末の値を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所が作成