値動きが荒いアセットへの積み立てで効果を発揮する「ドルコスト平均法」
これから資産形成を考えている投資家は、月々1万円とか2万円とか、金額を決めて積み立てていくのが良いと思います。積み立て投資は、日経平均やS&P500に連動するインデックスファンドやETFのように、値動きの荒いアセットへの投資で効力を発揮します。
積み立て投資の威力(ドルコスト平均法)を理解いただくために、簡単な例を作りました。まず、以下のクイズを解いてみてください。
【クイズ】
以下の投信A・投信Bに、1カ月後と2カ月後に1万円ずつ投資したとして、3カ月後の資産価値は、どちらが大きいでしょう?
◆【投信A】値動きが乏しいアセット
1万円でスタート、1カ月後・2カ月後・3カ月後も1万円のまま。
◆【投信B】値動きが激しいアセット
1万円でスタート、1カ月後に12,000円(スタート時より+20%)に上昇、2カ月後に8,000円(スタート時より▲20%)に下落、3カ月後にスタート時の1万円に戻る。
どちらも、1万円でスタートして、3カ月後に1万円です。ところが、アセットAとBに積み立て投資した場合で、3カ月後の資産価値に差が生じます。
【答え】
アセットBに投資した方が得です。アセットAでは、投資した2万円が、3カ月後に2万円のままですが、アセットBでは、投資した2万円が、3カ月後に2万800円に増加します。
【解説】
アセットBに、1万円ずつ投資し続けると、価格が上がったときには少ない量しか買えませんが、価格が下がった時にたくさん買えます。高いときに少し買い、安いときにたくさん買う運用が、自然にできていることになります。
【さらに詳しい解説】
アセットAは、1カ月後に1万円で1単位、2カ月後にも1万円で1単位、買えます。合わせて2単位、取得できます。その評価額は、3カ月後に2万円です。値動きがないので、損も得もしません。
アセットBはどうでしょう? 1カ月後、1万2,000円に上昇したときは、1万円で0.83単位(10,000÷12,000)しか買えません。ところが、8,000円に下がった2カ月後には1万円で、1.25単位(10,000÷8,000)買うことができます。合わせて2.08単位、取得できます。3カ月後に価格が1万円に戻れば、評価額は、2万800円となります。800円だけ、資産価値が増えています。