日経平均の行方を円建てNYダウとの高相関性から占う
長期的な観点で振り返ると、円建てNYダウ平均と日経平均の相関性が高いことが知られています。
図表2は、2012年以降の円建てNYダウと日経平均の推移を示したもので、両者の相関係数(*)は「+0.72」と連動性が高かったことが検証できます。つまり、米国株が堅調でドル/円も堅調(円安)であれば日本株は上昇しやすく、米国株が軟調でドル/円も軟調(円高)となれば日本株は下落しやすかったということです。
*相関係数(Correlation Coefficient)とは、二種類の変数の間の相関性(連動性の度合い)を示す統計学的指標です。数値としては「-1」から「+1」の間で表され、「+1」に近いときは「二つの変数には正の相関がある」といい、「−1」に近ければ「負の相関がある」とされます。
<図表2:日経平均と円建てNYダウの相関性は高かった>
図表3は、円建てNYダウ平均(縦軸)と日経平均(横軸)の水準とその相関線を示す線形近似線(中心線)を表示したものです。この線形近似線が「右肩上がり」であることは、円建てNYダウと日経平均の相関性が高かったということを示します。
筆者は、NYダウ平均は年末までに最高値を更新し、為替ではドル/円が2006年5月の125.63円(終値)を突破して130円を目指す可能性があると予想しています。この両方が同時期に実現すると、NYダウ平均の円建て金額として約478万円(=3万6,799ドル×130円)が視野に入ってきます。
あくまで線形近似線(図表3)に沿った簡便なイメージですが、米国市場次第で日経平均は昨年9月14日に付けた過去1年高値(3万670円)を更新していく公算が高そうです。目先の幾度かの押し目を経ながら、年央までに日経平均が3万円を目指す展開を見込んでいます。
<図表3:日経平均と円建てNYダウとの関係を線形近似線でみる>