1982年のインフレ環境
米国2月のCPI前年比+7.9%は1982年1月CPIの前年比+8.3%以来、約40年ぶりの高水準を記録しました。現在のインフレが1982年当時のインフレ水準に近づいてきていることから、マーケットでは1982年の金融環境が話題になっています。その時の政策金利であるFF金利は15%、米10年債利回りは14.6%、ドル/円の終値は228円台でした。ドル/円は、その後レーガン政権のドル高政策によって、1982年10月には278円台まで上昇しました。
当時の金利水準は現在とはかなりかけ離れた水準であるため、ドル/円が200円を超えるような大幅な円安になるとはさすがにマーケットはみていないようですが、インフレ加速、金融引き締め加速、金利上昇、円安進行という環境と重ねる投資家は多いようです。
このような円安を取り巻く環境の中、17~18日の日銀金融政策決定会合後の記者会見で黒田総裁は円安についてどのような発言をするのか注目です。円安けん制についてマーケットは過敏に反応するかもしれないため注意が必要です。
18日を前にして円安が一服するような動きとなったり、利食いで押し戻されるような動きがみられたら、それはマーケットが円安けん制発言を相当意識していることかもしれません。
今週は他にも中央銀行の金融政策委員会があります。17日の英中銀、トルコ中銀、18日のロシア中銀の金融政策発表があります。こういう時期であるため、マーケットはこれら中銀の決定に対しても過敏に反応するかもしれないため注意が必要です。