年金をもっとお得に!年金豆知識

 年金の基本的な仕組みを理解した上で、年金のお得な豆知識をご紹介します。

保障機能も備えてる!障害年金、遺族年金

 年金制度は老後資金の準備だけではなく、実は保障機能も備えています。

障害年金

 年金加入者が病気やけがによって法令によって定められた障害状態になった場合には障害年金を受け取ることができます。

 障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。

 国民年金加入中や20歳前に初診日がある病気やけがにより、法令によって定められた障害等級1級、2級となった場合は障害基礎年金が支給されます。

 18歳到達年度末までの子がいる場合(1級、2級の障害のある子の場合は20歳になるまで)には加算額が支給されます。

 厚生年金加入中に初診日のある病気やけがで障害基礎年金の1級、2級になったときは、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。

 2級に該当しない軽い程度の障害のときは3級の障害厚生年金が支給されます。

 初診日から5年以内に病気やけがが治り、障害厚生年金を受けるよりも軽い障害が残ったときには障害手当金が一時金で支給されます。

遺族年金

 年金加入者が亡くなった場合には、亡くなった方によって生計を維持されていた遺族に遺族年金が支給されます。

 遺族年金には、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」があります。

 国民年金に加入中の方が亡くなった場合は、受給要件を満たしていれば、亡くなった方によって生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」を対象に、子が18歳到達年度の末日まで(1級、2級の障害のある子の場合は20歳になるまで)遺族基礎年金が支給されます。

 厚生年金に加入中の方が亡くなった場合は、受給要件を満たしていれば亡くなった方によって生計を維持されていた遺族のうち最も優先順位の高い方に遺族厚生年金が支給されます。遺族基礎年金を受給できる場合は併せて受給することができます。

 個人で生命保険に加入している方も多いと思います。公的年金での保障を知った上で加入すると生命保険の入りすぎを防ぐことができます。

繰り下げ受給で年金額UP

 年金の受給時期は原則として65歳に達した日の翌月分からですが、60歳以降65歳になるまでの間に受け取る繰り上げ受給や66歳以降70歳(2022年4月から75歳)になるまでの間に請求して受け取る繰り下げ受給をすることもできます。

 繰り上げ受給をした場合、受け取る年齢に応じて年金額が減額されますが、繰り下げ受給をした場合には受け取る年齢に応じて年金額が増額されます。ひと月繰り下げると0.7%ずつ増額され、一生涯増額された率の年金を受け取ることができます。

 老齢基礎年金と老齢厚生年金はそれぞれ異なった希望の時期に繰り下げることができるので、カスタマイズするとよいでしょう。

産前産後休業・育児休業期間中の保険料免除

 産前産後休業中や育児休業期間中は本人、勤務先とも厚生年金保険料が免除されます。さらに、保険料を納めたものとして年金額に反映してもらえます。

 また、復職後に時短勤務などで月給が下がった場合には、子どもが3歳までの間、申し出により保険料は下がった月給に応じた低い負担額のまま、年金額は休業前の高い標準報酬月額を反映してもらうことができます。

 妻だけでなく、夫が育児休業を取得した場合であっても同様に対応してもらえます。子育てと仕事の両立は大変なものです。このような措置があることはありがたいですね。

 公的年金の基本的な仕組みと豆知識についてご理解いただけましたか?

 将来もらえる年金について不安も大きいことでしょう。公的年金だけで豊かな老後を過ごすことは難しいかもしれません。

 自助努力によって老後資金を確保することは大切ですが、まずは公的年金を理解した上でプラスαの対策をとるとよいでしょう。

 将来受給できる年金額は日本年金機構の「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認することができます。保険料を払っていない期間がある方、保険料を支払うのが難しいという方はそのままにせず、必ず手続きをとるようにしましょう。

 各詳細は日本年金機構ホームページをご確認いただくか、年金事務所または勤務先に問い合わせてみてください。