2019年に老後2,000万円問題が話題になりましたが、自分が加入している年金やいくら年金をもらえるか、きちんと確認している人はどれくらいいるでしょうか?

 学校では教えてくれない年金制度。豊かな老後生活を送るために、まずは基本を押さえておきましょう。

国民年金は全員加入!私は第何号被保険者?

 20歳になると日本に住んでいる限り必ず国民年金に加入しなければいけません。無職や学生、外国籍の人も含め全員加入し、国民年金保険料を納めます。

 国民年金は職業などによって第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者に区分されます。

第1号被保険者:20歳以上60歳未満の自営業者、学生、無職など
(第2号被保険者、第3号被保険者にあてはまらない人)

第2号被保険者:厚生年金に加入している会社員、公務員など

第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者

全員加入の国民年金:支払う保険料はいくら?年金はいくらもらえるの?  

第1号被保険者

 第1号被保険者の人は自分で国民年金加入の手続きをしなければいけません。

 20歳になると日本年金機構から国民年金加入のお知らせが届きます。原則20歳から60歳までの40年間国民年金保険料を納めます。

 国民年金保険料は月額1万6,610円(2021年度)です。保険料を納付した期間などを合計して10年以上という受給資格期間を満たすことで、65歳から老齢基礎年金を一生涯受け取ることができます。

 老齢基礎年金額は満額の場合、年78万900円(2021年度)です。

 保険料の支払いが難しい場合、免除や猶予、学生納付特例などが認められており、受給資格期間としてはカウントしてもらえますが、受給額は減額されます。

 手続きをせずに未納となった場合は受給資格期間としてカウントされず10年という受給資格期間を満たせない恐れがあります。

 ほったらかしにせず、かならず手続きをするようにしましょう。

20歳から60歳まで40年間月額1万6,610円保険料を納付すると
65歳から年額78万900円受給できる!
※金額は2021年度の場合

第2号被保険者

 第2号被保険者の人は勤務先が手続きをしてくれて国民年金に加えて厚生年金にも加入します。厚生年金保険料は月給、賞与の額によって決まり、労使折半で支払います。

 国民年金保険料を別途納める必要はありません。20歳未満であっても勤務先で厚生年金に加入している場合は厚生年金保険料を払います。

 10年以上の老齢基礎年金の受給資格期間があり、厚生年金の加入期間が1カ月以上あれば、老齢基礎年金(満額78万900円 2021年度)に加えて老齢厚生年金を受け取ることができます。

 支給開始年齢は生年月日によって61歳から65歳へと段階的に引き上げられており、男性は1961年4月2日生まれ以降の人、女性は1966年4月2日生まれ以降の人は65歳からの受給開始となります。老齢厚生年金の金額は加入期間や収入に応じて決まります。

会社員は厚生年金に加入。厚生年金保険料を会社と折半して支払う
将来もらえる年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金

 目安として、会社員と専業主婦の夫婦が将来受給できる年金額は老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)と老齢厚生年金をあわせると月額22万496円となります。

※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合で計算。

第3号被保険者

 第3号被保険者の人は第2号被保険者の勤務先が手続きをしてくれます。国民年金保険料は配偶者の加入している年金制度が負担してくれるため個人で保険料を納める必要はありませんが、65歳から老齢基礎年金を一生涯受け取ることができます。

 よくあるパターンとして、就職し第2号被保険者であった人が仕事を辞めて第3号被保険者になった場合には、それぞれの受給資格期間を満たしていれば老齢厚生年金と老齢基礎年金を受け取ることができます。