今日の為替トレッキング
今日の一言
運命はわれわれを幸福にも不幸にもしない。ただその種子を我らに提供するだけである
Break Out
南アフリカで感染が確認された新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」。すでに英国、ドイツ、イタリアでも検出され、欧州各国で感染者が広がっています。独バイオ企業のビオンテックは、米ファイザーと共同開発したワクチンが有効であるか判断するためのデータが2週間以内に得られるとの見通しを示しています。
FRB(米連邦準備制度理事会)は、金融政策をコロナ対策からインフレ対策へとシフトすることを決め、2022年の利上げを検討。しかしFRBの最優先事項が新型コロナ対策であることに変わりはない。つまり、現在のワクチンがオミクロン変異株に有効ではないということになれば、緩和縮小のペースを速めるどころかペースダウンする可能性もあるということです。現時点であまりに楽観的になるのは注意したほうが良いでしょう。
FRBだけではなく、世界の中央銀行は、金融政策を再調整する必要に迫られる可能性がある。少なくとも、オミクロン変異株で金融政策の不透明感は増しています。BOE(イングランド銀行)も予定していた12月の利上げを延期する可能性が高まっています。
欧州では、オミクロン変異株の検出以前に新型コロナ感染が急拡大しています。オーストリアの全土ロックダウンに続き、ドイツも感染者数が過去最多を記録するなかで、ロックダウンは時間の問題。書き入れ時のクリスマスシーズンに移動制限が重なり、景気センチメントの悪化は避けられない。失業率や経済成長など経済的ダメージは長期化するおそれがあります。ECB(欧州中央銀行)は12月の政策会合において、量的緩和の終了という「重大な政策の変更」を公式に発表する予定ですが、果たしてこの状況でそれが可能なのか。ECBも非常に難しい選択を迫られています。