最新理論を学び、超分散投資に挑戦中
──最近、「FIRE(Financial Independence:経済的自立、 Retire Early:早期退職)」を目指す人が増えています。シータさんもFIREした1人といっていいんでしょうね。
僕は、FIREしようと思って会社を辞めたわけではないですからね。辞めたときは再就職も視野に入れていましたし。
──では、昨今のFIREブームをどう見ていますか。
毎日会社に行くのはしんどいし、仕事も面白いとは思えない。だから、お金をためてFIREしたいという人が多いのかもしれません。FIREという目標を設定して、そこに向かって頑張っていく、というのは素晴らしいことだと思います。。
仕事でも、趣味で始めたことでも何でもいいですが、全力でやっていたら、その実績が認められ、自分の力で生きていけるようになった──という方がカッコいいかなと思います。
──ご本人にFIREという意識はないのかもしれませんが、シータさんのような生き方に憧れる人は多いと思います。実際にはどうですか。
自分の好きなことをして暮らせるのはありがたいことだと思います。ただ、毎日楽しいことばかりかというと、そんなことはありません。視聴者の方々に満足してもらえる動画をコンスタントに作るのはラクではありませんし。それに、そのうち誰にも見てもらえなくなるかもしれないという危機意識もあります。
──ちなみにYouTube動画を作るのにどれくらい時間がかかるものですか。
人によると思いますが、僕の場合は1本作るのに1~2日かかることもあります。今は週2本程度アップしていますし、そのほかブログも書いているので、けっこう忙しいですね。悠々自適とはとても言えません(笑)。
──今後ですが、投資に関しては、今後もインデックスファンドの積み立てと米国株の個別株投資を続けていきますか?
当然、積み立ては続けます。米国株も、少しウエートを下げるかもしれませんが、やめることはないでしょう。ただし、それらに頼り切る気はないんです。なぜなら、投資の世界でも、新しい考え方や理論が次々と生まれています。だから、そういうものをどんどん取り入れて、いろんなことに挑戦したいと考えています。
例えば、最近は「アダプティブアセットアロケーション」と言う手法にチャレンジしています。株式や債券、REIT、コモディティなどいろいろなアセットの中で最もリターンの高い銘柄を組み合わせて投資をする、と言うものなのですが、僕もオリジナルの論文を参考に自分で試したりしています。
──研究熱心ですね。
そういうことを考えるのが楽しいんです(笑)。利益が出る手法というのはインデックス投資だけではないので、相関が低い他の手法も取り入れて、資産全体のリスクを下げるのが、今の僕の楽しみになっています。
定年退職しても積み立てを続けるべし
──最後にトウシル読者に何かアドバイスをお願いできますか。
投資に興味があるし、将来のために何かしなければならないことは分かっている。でも、なかなか実行に移せないという人も多いと思います。おそらくそういう人は、投資に失敗し、お金を失うことを恐れているのでしょう。大事な資産が減ってしまったらどうしようか…と。
その不安は分かりますが、投資というものを恐れすぎないでほしいですね。ひと口に投資といってもいろいろあり、リスクを回避しながら資産を増やす方法もありますから。
──その1つが世界経済に投資すること?
はい、繰り返しますが、世界経済の動きに連動する「全世界株式」に長期投資するという方法を取れば、着実に資産を増やせると僕は思っています。もちろん、一時的に下落することはあるかもしれません。この先、世界恐慌のようなことが起きないとも限りませんし。
でも、世界中が不況にあえぐようなことがあっても必ず回復に向かいます。いずれにしても長期視点に立って投資を続けてほしいと思います。
──若い人なら将来を見据えて、積み立てを続けようという気持ちになれると思います。でも、50~60代くらいになると20~30年先を見据えてといっても、そんな気にはなれないかもしれません。
いや、50代でも60代でも遅くはないと思いますよ。今や人生100年時代といわれているわけですし。
──定年退職した後でも?
もちろんです。給与収入がなくなると積み立てをやめてしまう人もいますが、それはもったいない。多少でもお金に余裕があるなら、その分を積み立てにまわしたほうがいい。何歳になっても続けてほしいですね。
──今日はありがとうございました。
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