大手総合商社5社を配当利回りの高いバリュー株として評価

 私は、大手総合商社5社(伊藤忠・丸紅・三井物産・住友商事・三菱商事)は、いずれも高配当利回りのバリュー(割安)株として、長期投資する価値があると考えています。
以下の通り、PER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)が低く、配当利回りが高めのバリュー株として、評価できます。

大手総合商社5社の株価バリュエーション:2021年9月28日時点

コード 銘柄名 株価
:円
配当
利回り
PER PBR 1株
配当金
会社予想
:円
8001 伊藤忠 3,387.0 2.8% 9.1倍 1.42倍 増配 94
8002 丸 紅 940.9 3.6% 7.1倍 0.85倍 増配 34
8031 三井物産 2,512.5 3.6% 6.3倍 0.85倍 増配 90
8053 住友商事 1,631.0 4.3% 7.0倍 0.77倍 70
8058 三菱商事 3,592.0 3.7% 13.9倍 0.91倍 134
出所:各社決算短信より楽天証券経済研究所が作成、配当利回りは、2022年3月期1株当たり配当金(会社予想)を9月28日株価で割って算出。PERは、9月28日株価を2022年3月期1株当たり利益(会社予想)で割って算出

  私は、「株価指標で見て割安」というだけで、この5社を評価しているわけではありません。5社とも、将来的に最高益を更新していくビジネスモデルを確立していると考えていることが、評価する理由です。配当利回りが高いことに加え、株価上昇の期待もあると考えています。

 以下の通り、伊藤忠と三井物産は、会社予想で今期最高益が見込まれています。

5大手商社の連結純利益:2019年3月期(実績)~2022年3月期(会社予想)

【単位:億円】
コード 銘柄名 2019/3 2020/3 2021/3 2022/3
会社予想
8001 伊藤忠

最高益
5,005

最高益
5,013
4,014 最高益
5,500
8002 丸 紅 最高益
2,308
-1,974 2,253 2,300
8031 三井物産 4,142 3,915 3,354 最高益
6,400
8053 住友商事 最高益
3,205
1,713 -1,530 2,900
8058 三菱商事 最高益
5,907
5,353 1,725 3,800
  コロナショック  
出所:各社決算資料より楽天証券経済研究所が作成

 以下の表をご覧いただくとわかる通り、伊藤忠・三井物産は、コロナショックを超越して増配を続けています。

5大手商社の1株当たり配当金:2019年3月期(実績)~2022年3月期(会社予想)

【単位:億円】
コード 銘柄名 2019/3 2020/3 2021/3
会社予想
2022/3
予想
8001 伊藤忠 83 85 増配 88 増配 94
8002 丸紅 34 35 減配 33 増配 34
8031 三井物産 80 80 増配 85 増配 90
8053 住友商事 75 80 減配 70 70
8058 三菱商事 125 132 増配 134 134
      コロナショック  
出所:各社決算資料より楽天証券経済研究所が作成

 5大商社について、6月16日に日経BPより出版された私の著書でさらに詳しく解説しています。以下の著書です。ご参照ください。
「NISAで利回り5%を稼ぐ、高配当投資術」


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2021年6月8日:総合商社の決算まとめ:伊藤忠・三井物産は今期最高益の予想