前回は商品先物取引のメリットの中から証拠金における「少額で取引を始められる」「レバレッジが効いている」という2点をお伝えいたしました。(第2回 商品先物取引入門「商品先物取引のメリット①」参照)

今回は、前回の話の中で総代金を計算するにあたり用いた数値である「価格」について触れてみたいと思います。

例えば国内商品先物銘柄である、金やゴールドスポットであれば「4,449円」、原油であれば「34,650円」、トウモロコシであれば「21,710円」などが、それぞれの銘柄の「価格」ということになります。(2017年3月28日時点)

今回述べたいのは、これらの価格がそれぞれの銘柄の“どれだけの数量の価格か?”ということです。

株もFXも商品先物も、取引画面や新聞やウェブサイトで価格を確認することができます。

株であれば「価格は“1株あたり”」、FXであれば「(112円/ドルの場合)112円は“1ドルあたり”の価格」ということになりますが、金・原油・トウモロコシなどの国内商品先物では、“銘柄によって価格が示す数量が異なっている”という点が上げられます。

具体的には以下のとおりです。(左の相場表は当社の商品先物取引専用ツール「マーケットスピードCX」の“価格一覧”の画面です)

各銘柄の価格は、以下の図の右に示した数量(重さ・容量)の価格です。これらの数量は取引所(東京商品取引所)が定めています。

図:マーケットスピードCXの価格一覧画面、および各銘柄の相場表内の価格に対する数量(重さ・容量)

出所:商品先物取引ツール「マーケットスピードCX」等を元に筆者作成

価格一覧で表示されている各銘柄の価格は、先に述べた金やゴールドスポットであれば「1グラム」、原油であれば「1キロリットル」、トウモロコシであれば「1トン」の価格ということになります。

この数量(重さ・容量)について、東京商品取引所や日本商品先物振興協会のウェブサイトには、「東京商品取引所の「金」の場合、(中略)実際の売買約定の対象となる価格は1g当 たりの価格で表示されています。これを「呼値」と言います。」、「(呼値とは)取引所で売買取引をして値段を約定する際に、取引物件の値決めの対象となる数量の単位」「(金の場合)呼値とその値段・・・1グラム当たり1円刻み」などと記載されています。

「呼値」は、「よびね」と読みます。

読(呼)んだその価格が、どのくらいの数量(重さ・容量)を表しているのか?と解釈できます。つまり、「金4,400円」と読めば(呼べば)、それは金1グラムの値段を読んだ(呼んだ)ことになるということです。

ただ、(細かい話ですが・・・)筆者のように“呼値”、つまり“値”と付く単語であるものの、その意味が“単位(値段以外のもの)”であることに違和感を感じる方は、「(任意の銘柄を)読む(呼ぶ)時の値段」と考えてみると、なんとなくしっくりくるような気がします。