海外投資家の日本株シフトの動きで期待される銘柄群

 大手海運株や鉄鋼株など、いわゆるオールドエコノミーの大型株が足元で活況となっているように、その買い材料の主因となっている配当利回りへの関心は高まっているとみられます。

 加えて、欧米では量的緩和策の縮小が視野に入っており、長期金利は上昇方向に向かう可能性は高く、その面でも高利回り銘柄への関心は高まっていくものと考えられます。

 下表は、配当利回りが3%以上の銘柄の中で、海外投資家の保有比率が高い大型株をスクリーニングしたものです。新首相の誕生による海外投資家の日本株シフトを期待するのであれば、現在海外投資家の保有比率の高い大型株が真っ先に買われるものとみられます。

 日本株一段高の際は先導役になる銘柄といえるでしょう。海外投資家が重視すると言われるROE(自己資本利益率)水準の高さも魅力になるとみられます。

外国人投資家の保有比率が高い高配当利回りの大型株

コード 銘柄名 会社予想配当利回り 株価 時価総額 外国法人持株比率 前期ROE
9101 日本郵船 7.09 9,880.0 16,801 34.79 25.6
8795 T&Dホールディングス 3.86 1,452.0 9,191 34.29 12.2
8002 丸紅 3.63 935.7 16,267 30.35 15.6
1878 大東建託 3.56 13,270.0 9,146 47.83 20.9
1802 大林組 3.41 939.0 6,775 35.12 11.3
配当利回り平均(%) 4.31
注:会社予想配当利回り、外国法人持株比率、前期ROEの単位は%、時価総額の単位は億円。株価は2021年9月10日終値、単位は円。

銘柄選定の要件

  1. 予想配当利回りが3.0%以上(9月10日終値ベース)
  2. 時価総額が5,000億円以上
  3. 外国法人持株比率が30%以上
  4. 前期実績ROEが10%以上