ケース別に検証した長期投資の成果(市場実績)

 図表1が示す通り、ナスダック100指数のパフォーマンスは「ハイリスク・ハイリターン」が特徴です。つまり、リスク(リターンのぶれ)が大きくなる場面は多かったものの、長期目線では高いリターンが期待できたグロース株(成長株)の投資成果を象徴しています。

 このことが、定時定額(積立)投資をする場合のメリットとされる「ドルコスト平均法」と「複利運用(雪だるま)」効果を期待させる点と言えます。そこで、ナスダック100指数(円換算)に約30年投資してきたと仮定する2つのケースを検証したいと思います。

 図表2は、1991年初を起点としてナスダック100指数(円)に「3カ月ごとに10万円ずつ投資してきた場合」を想定しました。

 累計投資元本(簿価)が1,230万円(10万円×123回)だったのに対し、最近の時価総資産は約1億6,729万円と約13.6倍に膨らんできました(2021年6月末)。途中で乱高下しながらも成長期待が高かったナスダック100指数だからこその投資実績が検証できます。

<図表2:10万円投資でスタートし「3カ月ごとに10万円」を追加投資したケース>

(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(1991年初~2021年6月末)

 次の図表3は、1991年初に「100万円」をナスダック100指数(円換算)に投資し、その後は「3カ月ごとに10万円ずつ投資してきたケース」を想定しました。

 累計投資元本(簿価)は1,320万円(初回100万円+10万円×122回)で、時価ベースの総資産は約2億1,519万円に膨らんできたことを示します(2021年6月末)。

 両方のケースとも、20歳代で投資をスタートさせたら60歳を迎える前に「億り人」となることが可能だったという検証結果です。ナスダック100指数への長期分散投資は「資産形成の武器」だったと言えるでしょう。

<図表3:100万円投資でスタートし「3カ月ごとに10万円」を追加投資したケース>

(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(1991年初~2021年6月末)