コロナ前(2020年2月期)まで3期連続で営業最高益、前期(2021年2月期)は赤字

 まず、過去4期の業績推移と、今期の業績(会社予想)をご覧ください。コロナ前は以下の通り、営業最高益が続いていました。

イオンの連結売上高・営業利益・純利益の推移:2018年2月期~2020年2月期

出所:同社決算資料より作成

 イオンは、構造改革の成果で、2020年2月期に連結営業利益で過去最高益でした。その間、人手不足・人件費上昇・天候不順・消費増税(2019年10月)と悪材料が続きましたが、イオンは金融・不動産・ドラッグストア・海外の利益を伸ばすことで、営業最高益を続けました。ただし、グループ各社の再編にコスト(特別損失)が出るので、連結純利益は低水準で、まだ最高益に届いていません。

イオンの連結売上高・営業利益・純利益:2021年2月期実績・2022年2月期予想

出所:同社決算資料より作成

 ところが、前期(2021年2月期)は、コロナ禍で一時営業停止があった影響で、最終損益は710億円の赤字に転落しました。

 今期(2022年2月)は、コロナ前の業績を回復する予想を会社では出しています。営業利益は2,000億円~2,200億円と予想していますが、2,200億円出れば小幅に最高益更新となります。コロナ禍の緊急事態宣言は続いていますが、第1回の緊急事態宣言(2020年4月7日~5月25日)の時のように、大規模の営業停止はありません。安全対策を取った上で多くの店舗が営業できていること、コロナ禍で需要が伸びている食料品など生活必需品の取り扱いが多いことから、コロナ禍でも業績急回復が見込めます。