前日(10月30日)の市場概況

ドル/円:114円戻れず、113.01円まで下落

 先週末NY市場で114.44円まで上昇したドル/円ですが、5月と7月のダブルトップのレベルを超えられず、113円台へ下落して週の取引を終えました。

 週明けのマーケットはドル売りの流れを引き継ぎ、ドル/円は114円に戻れず、高値は113.83円まで。NY時間には113.01円まで売られました。終値は113.173円(前日比-0.522円)。(チャート1)

 ドル売りが強まった理由は、トランプ大統領が次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長として、ハト派寄りのパウエル理事に傾いているとのニュースがきっかけ。

 経済データでは、先週発表された7-9月期の米GDP(国内総生産)は予想を上回ったものの、詳細を見ると国内消費が急減速。GDPは見かけほど強くないとの指摘があり、また今週発表の米ISM指標は前月を下回る予想。さらに、トランプ政権の法人税率引き下げが、5年間かけた段階的な導入になるとの噂が、マーケットのムードを重くしました。

 政治面では、ロシアゲート疑惑が再浮上。トランプ陣営の選対本部長を務めたマナフォート氏が、米国に対する謀略やマネーロンダリングなど。罪状で起訴。米長期金利も2.3%台に軟化し、ドルにとって悪い材料が一気に噴出しました。

 

 

今日は、日銀が金融政策を決定

 今週は、主要中央銀行の金融政策会合ラッシュの週ですが、その第一弾は、日銀の金融政策決定会合です。日銀は、本日の会合で短期金利をマイナス0.1%に据え置き、金融政策の現状維持を決定すると見られています。

 安倍自民党の衆院選圧勝は、日銀の大規模金融緩和政策が信認を得たということでもあります。日銀は、物価目標2%を達成するまで、これからも短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に誘導する金融緩和策(長短金利操作)を続けることになります。

 

ユーロ/ドル:反発

 ECB(欧州中央銀行)が「ハト派的緩和縮小」にとどまったことや、スペインのカタルーニャ自治州が独立宣言をしたことを材料に、先週はユーロ売りが強まりました。この日は、ドルの悪材料でユーロ/ドルはやや値を戻し、1.1593ドルを安値に1.16ドル台を回復すると1.1657ドルまで反発しました。

 今日は、ユーロ圏の7-9月GDPの発表があります。予想は前期比+0.5%。また、欧州の10月HICP(消費者物価指数)は、前年同期比1.5%で堅調。月曜日に発表された10月のドイツの消費者物価指数は前月比横ばいで予想を下回りました。

 

 

ユーロ/円:3営業日続落

 ユーロ/円はさえず欧州時間の132.28円を高値にして、131.45円まで下落。