日本株の長期投資で資産3億円!「なりゆき」リタイアに踏み切る
CASE03:ろくすけさん
▼Profile
大学卒業後、国内大手企業に就職。20代半ばでインデックスファンドを買い始め、およそ10年で3,000万円の資産をつくる。30代半ばから本格的に個別株式投資を開始。日本株式の長期投資を基本に、3億円超まで資産を増やす。
2019年春、会社を早期退職し、FIREを実現した。投資ブログ『ろくすけの長期投資の旅』を運営。各種投資メディアに寄稿中。
ろくすけさんのFIREデータ | |
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FIREを実現した年齢 | 40代半ば |
FIREを実現したときの資産額 | 約3億円 |
主な資産づくりの方法 | 日本株式の長期投資 |
現在の収入 | ブログのアフィリエイト収入、原稿執筆料、配当金など |
FIREを目指そうと思ったきっかけは?
現場からマネジャーに変わり、仕事を楽しめなくなり…
最近は若いうちから計画的に「FIRE(Financial Independence, Retire Early:経済的自立と早期退職)」を目指す人が多いようですが、私の場合は「なりゆきFIRE」なんですよ(笑)。
20~30代のころは会社を辞めようなんてまったく考えなかった。「このまま定年まで勤めるんだろうな」とおぼろげながら思っていましたが、40代前半で早期退職を考え、そのおよそ1年後、実行に移しました。
その理由は単純明快で、仕事を楽しめなくなったからです。30代までは営業として外に出てお客さまに提案したり、相談を受けたりする日々にやりがいを感じていました。しかし、40代になると立場が変わり、社内の調整やマネジメントに携わる仕事が中心となったことで、この先、自身が生き生きと働く未来図を描けなくなったのです。
ただし、それなりの資産があったから辞める決心がついたのも事実です。私は20代半ばで株式投資を始めたのですが、FIREを決意した段階で、資産は3億円を超えていました。つまり、会社を辞めて収入がゼロになっても暮らしていける境遇にあったわけです。
それともう一つ、会社の仕事とは別に、実現してみたいことがありました。それは、米国株だけがもてはやされている現状に一石を投じ、1人でも多くの人に日本株のよさを再認識してもらうための活動です。
私は日本株の長期投資という手法で資産を築いたのですが、ここ数年、日本株の長期投資って人気がないですよね。「もはや経済成長が期待できないのだから、日本株に投資しても何もいいことはない、それならGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)などの米国株に投資するべきだ」という考えが主流になりつつあります。
でも、私はその考えには賛成できません。
たしかに、市場全体の成長性を比較したら、日本は米国に遠く及ばないかもしれません。でも、きちんと一つ一つ見ていけば、業績がよく、株価が上がり続けている日本株はいくらでもあります。私自身、日本株の長期投資で3億円を超える資産を築いたわけですから。
どのような手法で3億円の資産を築いた?
成長のスピードより、成長の持続性を重視して銘柄選び
今、お話をしたように日本株の長期投資です。20代半ばで投資を始めてからしばらくは、インデックスファンドの積立投資がメインでしたが、毎月それなりの金額を積み立てていたこともあって、およそ10年で3,000万円の資産を築きました。
そして30代半ばで個別株投資を本格化させ、そこから10年ちょっとで3億円に増やしました。その間に、キャッシュで自宅も購入しています。
なぜそれだけ稼ぐことができたかというと、一つには長期目線で銘柄を選んできたからだと思います。例えば前年より10%売り上げを伸ばしている企業と、30%伸ばしている企業があったら、普通は後者に着目するでしょう。
しかし、私は成長率だけで判断せず、その成長がどれくらい続きそうかを考えます。つまり、成長のスピードよりも持続性を重視します。なぜなら、たとえ30%の勢いで成長しても、2~3年しか続かなかったら、投資しても利益は限られるからです。それよりも10%の成長が10年続く企業のほうが、大きな利益を得られる可能性が高いわけです。
その長期にわたって成長を続ける企業をどう見分けるか。ビジネスモデルなどさまざまな視点から検証しますが、私がとくに重要視するのが、経営者の考え方です。
私は会社員時代、企業経営者と接する機会が多い仕事に携わっていました。そこでは、企業の成長は経営者によるところが大きいと気づきました。だから、経営者がどんな人物で、どんな考えで事業に向き合っているのか、どのような未来図を描いているのかなどを調べるようになりました。
これは、日本株にこだわる理由の一つにもなっています。外国企業の場合、誰もが知るようなメジャーな企業でもない限り、経営者について知る機会はなかなかありません。
しかし、日本企業であれば、いくらでも知る手だてがあります。株主総会に出席すれば、直接、質問することだってできます。いくら米国で注目されている企業でも、トップがどんな人物なのかを知らずに投資する気にはなれません。