投信には投信の評価基準がある

 株価の妥当性を判断する指標としては、PER(株価収益率=株価を1株あたりの利益で割ったもの)や、PBR(株価純資産倍率=株価を1株あたりの純資産額で割ったもの)がありますが、投資信託の評価ではこうした指標は使いません。

 投資信託では一般的に、取ったリスクに対してどれだけのリターンをあげたかを示すシャープレシオや、ベンチマーク(運用の目安となる指数)のリターンをどれだけ上回ったかを示すアルファなどが多く用いられます。

 そして、これらの数値を見るときは、特定の期間の「輪切り」の情報だけでなく、推移を見ることが重要です。市場が急に大きく変動すると、数値も突発的に上がったり下がったりすることがあるためです。直近半年や1年だけでなく、3年、5年、10年など、中長期の数値もあわせて確認しましょう。

 なお、楽天証券では、シャープレシオやアルファなどの数値の他に、投資信託の評価指標として楽天証券ファンドスコアの情報もご提供しています。楽天証券ファンドスコアを使えば、同じカテゴリーに属する類似の投資信託と比べて、その投資信託がどれだけ効率的な運用をおこなうことができたかを知ることができます。

 スコアの算出と付与は、カテゴリー別に分類された投資信託の各銘柄について、リターンやリスクなどのデータをもとに、毎月機械的におこなっています。こちらも各投資信託の銘柄詳細ページで確認できますので、ぜひ銘柄選びにお役立てください。

投資信託の評価で用いられる指標の例

指標 判断基準 定義・算出方法
騰落率 値上がり(騰貴)率が大きいほど〇 ある一定の期間中にどの程度基準価額が値上がりしたかを表す。期中に支払われた分配金は再投資したものとして算出される
シャープレシオ 数値が高いほど〇 取った1リスク単位に対してどれだけのリターンをあげることができたかを表す。リスク調整後リターンとも呼ばれ、数値が大きいほど運用効率が良いとされる
標準偏差 数値が低いほど〇 リターンの散らばり度合いを示すリスク指標。数値が大きいほど基準価額のブレが上下に大きいことを意味し、「リスクが高い」と言われる
アルファ 数値が高いほど〇 アクティブファンドの評価で用いられる指標で、ベンチマークとして掲げた指数を上回る運用成果(超過収益)を表す。数値が大きいほどアクティブリターンが大きく、ファンドマネジャーの運用力が高いとされる
注:投資信託協会ウェブサイトなどの情報を基に楽天証券作成