「商品先物取引」にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

商品先物取引のルールを説明するには、例えば「銘柄(種類や数)」「限月(発会や納会)」「売り・買い(新規・決済)」「取引時間(日中取引・夜間取引・計算区域・大納会・大発会)」「証拠金(金額・レバレッジ)」などのさまざまな要素に触れていくことになります。

そこで今回は、これらのさまざまな要素の中から「証拠金」に着目し、その「証拠金」に関わる「メリット」について考えてみたいと思います。

商品先物取引における「証拠金」に関わるメリットは、「投資金が比較的少額である」「レバレッジが効いている」という点があげられると考えられます。

「投資金が比較的少額である」とはどのようなことなのでしょうか?最低単位(1枚)の取引を行うために必要な資金の額がどの程度なのか?ということです。以下は商品先物取引における主要銘柄と、同じ先物取引で証拠金取引である株価指数先物を比較したものです。

表:国内商品先物と株価指数先物の証拠金の額 (2017年3月14日時点)

銘柄 証拠金の額(1枚あたり)
国内商品先物 102,000 円
ゴールド100 10,200 円
白金 66,000 円
原油 145,000 円
ゴム 100,000 円
とうもろこし 45,000 円
株価指数先物 日経225先物 780,000 円
日経225ミニ 78,000 円
マザーズ先物 84,500 円

出所:各種データソースを元に筆者作成

国内商品先物の主力商品の一つである「金」の1枚あたりの証拠金の額は102,000円です(2017年3月14日現在)。これは日経225先物のおよそ7分の1、日経225先物ミニよりは若干高い水準であることが分かります。

また、近年人気の銘柄となってきている「ゴールドスポット100」(取引期限のない金の先物取引)においては10,200円であり、これは表中で最も少額であることが分かります。

国内商品先物取引は、株価指数先物と遜色ない少額の(銘柄によってはさらに少額の)証拠金で取引ができることが分かります。

次に、「レバレッジが効いている」についてですが、まずはレバレッジの計算をおさらいしてみたいと思います。レバレッジは、“てこの原理がどれだけ効いているか?”“資金効率の高さ”を表し、以下の式で求められます。

図:レバレッジの計算の仕方

出所:筆者作成

図:ゴールド100を1枚保有、ゴールド100の価格が4,300円の場合のレバレッジのイメージ

出所:筆者作成

この例は、430,000円相当のものを10,200円で動かしている、つまり、およそ42倍のレバレッジが効いた取引をしている、ということになります。

以下は2017年3月14日(火)時点での、レバレッジの比較です。

図:レバレッジ(参考)

銘柄 レバレッジ
国内商品先物 約 43 倍
ゴールド100 約 44 倍
白金 約 26 倍
原油 約 12 倍
ゴム 約 13 倍
とうもろこし 約 25 倍
株価指数先物 日経225先物 約 25 倍
日経225ミニ 約 25 倍
マザーズ先物 約 13 倍
FX取引 最大25倍
(個人でのお取引の場合)

出所:筆者作成

上記の日時時点で、商品先物取引の金取引(金およびゴールド100)は、表中で最もレバレッジが高い(すなわち資金効率が良い)ことが分かります。

これまでの点をまとめれば、比較的少額で取引ができ、そして資金効率が他の取引に比べて高い銘柄がある・・・これらは、商品先物取引の「証拠金」の面でのメリットであると考えます。

次回も「商品先物取引」のメリットをお伝えします。(3月29日(水)予定、隔週更新)