なぜ?つみたてNISAにインデックスファンドが多い理由

 前述した通り、つみたてNISAという制度の最大のポイントは、「長期・積立・分散投資」です。20年という年月をかけて、コツコツ積み立てができるという前提のもとで商品選定の条件が決まっています。

 インデックスファンドの本数が多いのは、ファンドそのもののリスクが低いからではなく、あくまでも長期積立投資と相性がよいからです。同様にアクティブファンドも、過去の運用実績というよりは、今後20年超という長い期間にわたって運用を継続できるかという、持続性の面が重視されています。

数年以内に使う予定の資金は?つみたてNISA商品の選び方

 以上を踏まえると、例えば、向こう数年以内に使いみちが決まっているような資金を、つみたてNISA対象商品(一部のバランス型を除く)で運用することは、あまりおすすめできません。

 特にインデックス型の場合、運用成績が完全に市場環境に左右されることから、資金化のタイミングで十分なリターンをあげられていないという事態も起こり得るのです。

 では、数年以内に確実に使うことが分かっている資金は、つみたてNISAで運用できないのでしょうか。

 この場合は、楽天証券ファンドセレクションで選出している「たわらノーロード 最適化バランス(安定成長型)」のような、安定運用を目指すバランス型を選んだ方がよいでしょう。

株式市場が右肩上がりでも、大きな下落もある可能性に留意

 つみたてNISAの制度が始まった2018年1月以降、世界の株式市場は、米国を中心に総じて右肩上がりで推移しており、「思うようなリターンが出ない」という状況はなかなか想像ができないかもしれません。

 しかし、今後10年単位の長期投資を続けていく上では、株式市場の大きな下落だけでなく、停滞期に直面する可能性もあるということを覚えておいてください。

 繰り返しになりますが、つみたてNISAは、時間をかけてコツコツと続けていくことを前提とした制度です。個々の投資信託について詳細まで理解することよりも、まずは制度のねらいと、正しい商品との付き合い方を把握し、ミスマッチを防ぐことが大切です。